【天津発】TISの中国現地法人、天津提愛斯海泰信息系統(天津TIS海泰、松田毅・副董事長兼総経理)は、データセンター(DC)事業で中国ローカル企業を精力的に開拓している。同社が保有する「天津濱海高新IDC」は、すでに顧客の6割方がローカル企業となった。(真鍋武)

松田毅
副董事長兼総経理
 天津TIS海泰は、自社DCとしてサーバールーム面積3000m2の「天津濱海高新IDC」を保有している。このDCは2010年4月に開業し、主にハウジングとIaaS「飛翔雲」を提供。開業5年目の現在、サーバールーム約2000m2、ラック換算では約750ラックが稼働可能となっており、すでにこの半分が実際にユーザーに利用されている。

 ローカル企業の開拓にあたっては、天津に拠点を置く金融機関をメインターゲットに選定している。現地のDC事業者が競争相手になるが、松田総経理は「中国の金融機関は、DCを採用する際の基準として、Tier3レベルの品質を求めるようになってきており、現地のDC事業者では、まだこのレベルに達していないケースが多い」と、Tier4レベルに近い品質をもつ「天津濱海高新IDC」の優位性を強調する。天津TIS海泰は、TISと現地投資会社の天津海泰集団の合弁企業で、太平洋電信深セン、曙光、チャイナ・キャッシュといったIT企業とも業務提携しており、こうしたパートナー企業の営業力を活用しやすい利点もある。

 天津では、2015年3月に自由貿易試験区の設立が政府から正式に認可され、現在その建設が進められている。試験区内では、金融に関する規制が大幅に緩和されるので、今後は金融機関の進出が増加する可能性が高い。松田総経理は、「さらに天津の金融系を取り込みたい」と意欲をみせる。

 ただし今後は、DC事業者間の競争が激化しそうだ。IDC中国によると、2015年の中国DC市場規模は157億米ドルに達する見込みである。今後数年のうちにDCが供給過多になるとの見方もあり、例えば北京市では、2014年に市内でのDC新設を禁止した。また、今年1月に中国国務院が発表した「促進云計算創新発展培育信息産業新業態的意見」には、政府が新設するDCの数を従来よりも減らす旨が記載されている。

 そこで天津TISでは、ハウジングの顧客に対して運用サービスを提案するなど、さらなる付加価値を提供していく方針だ。現地DC事業者との新たな協業ビジネスも検討している。松田総経理は、「2015年度(15年12月期)は、売上高の前年度比20%成長を計画している」との目標を掲げる。