日立製作所は、統合システム運用管理「JP1」の海外販売施策の一環として、認定技術者育成に向けた支援体制の整備を急いでいる。今年秋をめどに海外でも国内同様のオンラインでの認定試験を実施したり、段階的に講習カリキュラムのオンライン対応を進めたりする。国内ではオンラインでの試験や講習インフラを整えてきたが、海外では集合教育がまだ多く、オンライン対応は各国・地域の事情に合わせて段階的に実施している。オンライン環境が整えば、JP1の資格取得に向けた講習や試験をより受けやすくなり、「JP1の認定技術者の増加に役立つ」(堀江亨・JP1ビジネス推進センタ部長)と期待している。

 国内におけるJP1の認定技術者育成にあたっては、実践的な講習カリキュラムを重視しているのが特徴で、「ただ正解を丸暗記するのではなく、課題に対して実機をどう操作し、解決につなげるか」(加藤卓・JP1ビジネス推進センタ主任技師)といった実機操作の環境も用意している。教室での集合教育に加えて、オンラインでのCBT(コンピュータを活用した訓練)も選択でき、実際の認定試験もオンラインで受験できるようにしたことで、国内JP1認定技術者の数は直近で計4万人に増えた。2008年には国内で1万人だったことを考えると、ここ数年で急激に増えていることがうかがえる。

JP1講習カリキュラムで使う実機環境の画面イメージ

 JP1の製品そのものは欧米や中国、ASEAN、インドといった世界主要市場で販売しているが、海外におけるJP1の認定技術者制度の活用促進は、まだこれからが本番だ。企業向けパッケージソフトのシェア拡大には、売り手となるSIerなどの販売会社と連携することももちろん重要だが、それとともに自社製品の技術者をいかに増やすかがポイントになる。

 SAPやOracleをはじめとする大手企業向けパッケージソフトベンダーは自社製品の技術者育成に意欲的に取り組んでおり、求人案内にも例えば「SAP技術者募集」などと書いているケースも少なくない。JP1においても海外での求人広告に「“JP1認定技術者を募集”と出るようになったらしめたもの」(加藤主任技師)と、認定技術者の母数拡大がシェアを伸ばすうえでの追い風になると考える。

 日立製作所では、海外の「それぞれの市場に合わせたかたちで認定技術者を増やしていきたい」と考えており、国内でも引き続き認定技術者の育成に力を入れていく方針で2016年には国内5万人に増える見通しを示している。(安藤章司)

日立製作所の堀江亨部長(右)と加藤卓主任技師