【上海発】日立コンサルティングチャイナ(HCC)の業績が好調だ。同社はここ3年間、売上成長率65%超を維持してきた。2015年上半期には、日立グループの中国における情報通信システム部門の再編成によって、事業規模を拡大。舎川昭秀・亜太区戦略副総裁は、「今年度、売上高を最低でも20%伸ばしたい」との目標を掲げる。(真鍋武)

 2010年6月設立のHCCは、現在、約450人の従業員を抱え、コンサルティングからシステム構築、アウトソーシングまで業務プロセスを支援する一連のサービスを提供している。同社の特徴は、売上高に占める中国ローカル企業の比率が約8割に達していることだ。それも、Eコマース、物流、サプライチェーンの3分野に顧客が集中している。舎川・副総裁は、「中国のローカル市場では、日立の看板だけでは競合に勝てない。そこで数年前から、中国で大きく市場が伸びる分野に特化して顧客を開拓してきた」と説明。ローカル市場では、アクセンチュアやIBMなどの欧米系に加え、中国系の競合企業も存在し、価格競争に巻き込まれるケースが多いが、「ターゲットを絞り、どんなソリューションをどういう売り方で提案すればいいのか、地道に経験・ノウハウを蓄積してきた結果、現在は利益が出る案件に集中できている」という。

 一方、中国の日系企業向けビジネスでは、産業・流通系をメインターゲットとして、SAPのロールアウト案件を中心に展開。岡田利武・総監は、「SAPのグローバルテンプレートを保有しており、低コストで高品質なシステムを構築できる。日本語が話せる人材も約30人と豊富だ。さらに、システム稼働後の保守・運用をサポートするAMOサービスも提供している」とアピールする。

 今年2月には、中国の日立グループ情報通信システム部門の事業再編を受けて、清算した日立(中国)信息系統(HISS)から金融事業を継承した。元HISS金融事業部の従業員約40人も、ほぼHCC側で再雇用している。同事業部は、日系のメガバンクを中心とする金融機関向けにサーバーやストレージなどのITインフラ構築を手がけてきた。現HCCの西濱健・金融行業信息技術解決方案副総裁は、「HCCとの融合によって、ローカル系や日系企業の流通系・産業系にITインフラを提案したり、日系の金融機関にコンサルティングを提案したりするなど、提供できるソリューションの幅が広がる。すでにいくつか案件ができつつある」と今後のシナジー創出に期待している。

写真左から岡田利武・総監、舎川昭秀・亜太区戦略副総裁、西濱健・金融行業信息技術解決方案副総裁