アイティフォー(東川清社長)の流通・小売業向けのシステム販売や、自治体向けの債権管理システム・BPO(ビジネスプロセス・アウトソーシング)の応用ビジネスが好調に推移している。

東川清
社長
 国内流通・小売りサービス市場の変化を象徴しているのが、いわゆる訪日外国人による“爆買い(インバウンド消費)”現象で、中国をはじめとする成長国からの観光客が増え、消費税の免税に対応している店舗での購入が増えている。ただ、従来型の販売管理システムでは、免税処理に対応していない場合が多く、店員が手作業で免税に必要な書類作成をするケースが多かった。アイティフォーでは、主力製品の小売業向け基幹業務システム「RITS(リッツ)」に、外国人客向けの免税処理システムモジュールを追加し、この10月から本格的な出荷を始める。

 アイティフォーの調べによれば、手作業での免税関連書類の作成は、1購入あたり10分近くを必要としていたが、RITSの免税処理モジュールを使って、「自動化したことで30秒以内に短縮した」(東川社長)と胸を張る。RITSを巡っては、クラウド方式での販売も本格化させており、主に中小規模の百貨店や、専門店チェーンを対象に、従来の6~8割程度の利用料で提供する施策も打ち出している。RITSの免税処理モジュールについては、向こう1年間で10社からの受注、クラウド型サービスは、向こう3年で12社からの受注を見込むなど、意欲的な目標を立てる。

 一方、自治体向けの債権管理システムやBPOの応用ビジネスも弾みがついている。アイティフォーは、債権管理システムに強いSIerとして有名で、自治体向けでは国民健康保険料などの滞納整理や催告による徴収率の向上に同社の債権管理システムを役立てる商談が活発化している。だが、ITシステムによる「滞納整理」や「電話催告」の“管理”だけでは、徴収率の向上に限界があり、実際に収納を実行する“実働サービス”のニーズが高まっていた。同社では、昨年7月に自治体向けのこうした作業を代行するBPOサービス事業者のアイ・シー・アールをグループに迎え入れ、「ITシステムとBPOを有機的に組み合わせたサービス」(同)に仕上げている。


 自治体向けのビジネスを中心とした「公共システム事業」セグメントの売上高比率は、向こう3年で倍増させるとともに、先述の流通・小売業向けのシステム販売は、東京五輪開催に向けての消費意欲の増大などを見込む。アイティフォーの昨年度(2015年3月期)の連結売上高は前年度比4.5%増の114億円だったが、2018年3月期には連結売上高150億円、営業利益20億円の達成を目指す。(安藤章司)