エフセキュア(キース・マーティンカントリーマネージャ)は、中小企業および地方自治体へのセキュリティ製品導入を加速するため、販売パートナーとの関係を強化する。今年6月に日本法人の代表に就任したキース・マーティン氏が本紙インタビューに答えた。

キース・マーティン
カントリーマネージャ
 フィンランドに本社を置くウイルス対策ソフトベンダーとして知られる同社は、未知・新種ウイルスを検知する技術の高さをセールスポイントとしている。最近ではサイバー攻撃の対象が大企業や中央省庁のみならず中小規模の組織にも広がっている。また、マイナンバー対策でセキュリティ製品の需要が高まっていることから、日本法人では、中小企業・自治体市場への対応に重点を置き、とくにクラウド型セキュリティ製品「プロテクション サービス ビジネス(PSB)」の販売に力を入れる。PSBは、PCに加えモバイル端末にも対応した端末管理ソリューションで、クラウド側で未知のファイルのスキャンや不正通信のブロックなどの制御を行うため、社内に管理サーバーを設置する必要がなく、IT管理者のいない小規模組織でも運用できる点を強みとしている。

 新代表のマーティン氏は、バリューコマース、アバイア、インタラクティブ・インテリジェンスなどグローバル企業の日本法人で20年にわたって営業とマネジメントの経験を重ねており、日本のIT市場の特質をよく知る人物。エフセキュアのグローバル事業では、通信事業者やインターネットサービス事業者を通じた販売が主だったが、マーティン氏は「日本の中小企業は、IT製品の導入にあたってSIerや販社による提案を重視しており、当社製品の販売においてもパートナー中心になるのは間違いない」と話し、日本法人ではPSBの販売を中心としたパートナー向けトレーニングプログラムを拡充しているという。「1次、2次代理店といった階層型で販売を管理できるポータル画面を備えているほか、販売に応じてMDF(マーケティング開発資金)を還元する仕組みも準備している。PSBをより売りやすく、売りたくなる製品にするよう、販売チャネルの意見を採り入れていく」方針で、実際に今年、同社は国内のSaaS型セキュリティソフト市場で大きくシェアを伸ばしているという。

 マーティン氏は、「規模の小さな組織ほど、一度のセキュリティ事故で事業の存続そのものが不可能になるリスクも高い」と指摘し、今後は中小企業でも情報保護の意識が高まり、セキュリティ製品の需要がさらに拡大するとの見方を示した。(日高彰)