TKCは、自社データセンター(DC)の「TKCインターネット・サービスセンター(TISC)」が、パブリッククラウドの個人情報保護規格「ISO/IEC27018」の第三者認証を取得したと発表した。角一幸社長は、「当社の自治体向けクラウドサービスやマイナンバー収集・保管サービスである『PXまいポータル』などの基盤となるのがTISCであり、安全性と信頼性に関する国際的、客観的な基準に合致していると認められたことは、会計事務所にも、一般企業にも大きなアピールポイントになる」として、他社の類似サービスに対する差異化要因になるとの見方を示している。

角一幸
社長
 ISO/IEC27018は、パブリッククラウドサービス提供事業者が、個人情報を取り扱う事業を運営する際の個人情報保護に関する実施基準を定めた規格。情報セキュリティマネジメント実践の規範として広く活用されているISO/IEC27002をベースとして、個人情報管理のベストプラクティスを提供するものだという。2014年7月に国際規格として公開され、TKCは国内で初、世界でも、米マイクロソフト、米ドロップボックスに続いて3社目という早さで第三者認証を取得した。

 角社長は、「DC全体の実力を上げる取り組みは、継続してやってきた」と振り返る。ハード面では、「テクノロジーの急速な進化は、サーバーやストレージ、通信機器の世界にも当然波及していて、当社DCを構成する機器も、法定耐用年数の5年を待つことなく、ほぼ3年単位で最新の機材に入れ替える」(角社長)という基本方針を採っている。SIベンダーとしては富士通をパートナーとして、新興ベンダーの製品も導入しつつ、ミッションクリティカルな業務に耐え得るシステムを構築し、トラブルのない運用を続けているという。

 一方でソフト面では、運用の自動化技術などを開発・導入してきたほか、DC運用に携わる社員の育成にも力を入れてきた。「自前の設備は自前の社員で運用するのが当社のポリシー。24時間365日の運用なので、働く社員の数もそれなりに多く確保する必要がある。疲れも溜まるし、夜中に業務にあたる機会はなるべく減らしたいということもある」と角社長は話す。人材確保・育成、運用技術の高度化の両面で積極的な取り組みを進めてきたことが、ISO/IEC27018の早期の認証取得につながったという手応えを感じているようだ。

 TKCは、これを追い風として、給与計算システムの既存ユーザー約10万社のうち、約半分にあたる5万件ほどのユーザーがPXまいポータルを導入することを目標に、拡販に取り組む。また、新規ユーザー向けにもPXまいポータルの安全性と信頼性を訴求し、給与計算システムとセットでの導入を促していきたい考えだ。(本多和幸)