12月3日、ホテル向けソリューションプロバイダ大手の北京中長石基信息技術(石基信息、李仲初法定代表人)は、流通情報システム企業である北京長京益信息科技(長益科技、宋清総経理)の買収に関する基本合意書にサインした。買収金額は6億3000万元(約120億円)だ。

 長益科技は、流通情報システムの開発・販売に特化した業界有数のリーディングカンパニー。流通企業の財務、人事労務(HR)、サプライチェーン管理(SCM)、顧客管理(CRM)、サプライヤー関係管理(SRM)、ビジネスインテリジェンス(BI)、ネット通販(EC)など流通全般のソリューションを提供しており、ユーザー企業は1000社にのぼる。

 劇変するIT市場にいち早く対応すべく石基信息は、14年の初めから深・万国思迅軟件や科伝計算機、eFuture Information Technologyなど、流通、飲食業務向けにITサービス・技術を提供している会社を次々と買収、資本参加した。今回の買収によって、中国小売市場のローエンドからハイエンド、小型のコンビニから大型スーパーチェーンまでの市場を網羅し、流通情報システムのトップを狙おうとしている。

 14年9月、アリババグループが28億1千万元の投資で石基信息の発行済み株式15%を取得して話題を呼んだ。観光収入世界第3位で、最大の観光輸出国(国連観光機構の調べ)である中国のOTA(Online Travel Agent)市場に、アリババが「未来酒店(未来ホテル)」戦略の実現に向けて動き出したのだ。ホテル向け情報システム大手である石基信息とビッグデータや「芝痲信用(信用サービス)」「支付宝(オンライン決済サービス)」の連携を果たし、OTA業界の中国四大ブランドであるCtrip、eLong、Qunar、Tuniuを抜き、OTA業界でのO2O(オンライン・ツー・オフライン)の成功を勝ちとっていく狙いだ。

 石基信息は信用スコアリングによる簡単予約、支払いなど、新たな切り口でホテル向けにITソリューションを提供していく。ホテル向けITの成功体験を、さらに飲食、流通業界のIT市場に生かすことで、食べる、遊ぶ、泊まるの消費者の一連の行動を点ではなく、線でつなげて、旅行産業のエコシステム構築を目指す。(文/鄭麗花)