日立製作所(東原敏昭社長)が、同社の統合システム運用管理の最新版「JP1 Version 11」の販売を開始した。メジャーバージョンアップは、約3年3か月ぶり。今回は「スピード経営時代のIT統合管理」という開発コンセプトの下、各種製品の機能強化と新規に一つの製品をラインアップした。

日立製作所
加藤恵理
主任技師
 また、新たな一歩として、JP1 Version 11ではSaaS型で提供する製品を用意した。オンプレミス型で導入するプロダクトではなく、サービスとして必要なときに必要なだけ使用したいという顧客ニーズに応える。SaaS型で提供するのは、IT資産管理「JP1/IT Desktop Management 2」と高速データ転送「JP1/Data Highway」の2製品。「どの製品をSaaS化するかを検討するにあたって市場調査を実施したところ、資産管理と高速データ転送で顧客ニーズが多かった」と、日立製作所の加藤恵理・情報・通信システム社ITプラットフォーム事業本部サービスイノベーション統括本部IT基盤ソリューション本部基盤インテグレーション部/JP1ビジネス推進センタ主任技師は製品選択の理由を語る。

 今回のバージョンアップでSaaS型に対応したのは2製品だが、今後は顧客ニーズなどを把握しながら、他の製品についても検討していくという。「SaaS化は、プロダクト製品と違ってすばやく対応できる。必要な作業期間は、1か月くらいだと考えている」(加藤主任技師)。

 新製品として加わったのは、システム障害発生時の原因を分析する「JP1/Operations Analytics」。サーバーやストレージ、ネットワークといったシステム全体の構成要素を自動収集し、障害発生時には原因特定に必要な情報を自動的に抽出する。原因究明に向けた一連の作業を自動化するため、影響範囲の拡大や復旧作業の長期化を防止するために活用できる。「JP1は、運用の自律化に向けた取り組みをしてきている。自動化はその一環で、今後は機械学習なども採用し、JP1を進化させていく」と、加藤主任技師は語る。

 このほか、JP1のコア商材であるジョブ管理「JP1/Automatic Job Management System 3」は、ウェブブラウザから利用できるようにした。パートナー企業の要望に応えるかたちで機能強化も実施している。

 また、JP1全体でパラメータ数の削減やデフォルト値の見直しなどで、よりスピーディな導入を可能にした。クラウド上での活用を考慮し、OS種別や物理環境を意識しないライセンス体系に変更したほか、ジョブ管理などはオートスケールにも対応している。「JP1を使うというのではなく、使い倒していただきたい」と、加藤主任技師。JP1は、それを可能にする進化を遂げたというわけだ。(畔上文昭)