【上海発】ユニリタ中国現地法人の備実必(上海)軟件科技(巴音都仁総経理)のローカルビジネスが、新たな展開をみせている。現地SIerを代理店として自社ソフトウェアを販売するモデルだけでなく、OEM供給やバンドル提供など、パートナーの製品に組み合わせて販売するモデルを模索。すでに有力な現地パートナーを獲得しており、巴音総経理は、「2016年は自社製品をもつ企業との協業を加速させる。5社程度の現地パートナーを獲得したい」と意欲を示す。(真鍋 武)

巴音都仁
総経理
 中国国内向けパッケージソフトウェアの販売を主要事業とする備実必(上海)軟件科技は、2015年度(15年12月期)に本格的なローカルビジネスを開始。当初は、代理店契約を結んだ現地SIerを通しての販売を試みたが、巴音総経理によると、「協業先はできたものの、実際には案件があるときだけ注文がくるケースが多く、積極的に営業してくれるわけではなかった」という。そこで、相手先ブランド名で自社ソフトウェアを提供するOEM供給や、パートナーの製品と組み合わせて展開するバンドル提供型での協業に舵を切った。

 例えば、現地BIツールベンダーの帆軟軟件には、ETL(データ抽出・変換・ロード)ソフト「Waha! Transformer」をOEM供給し、「Fine DW」の名称で販売。帆軟軟件は従業員数約200人、売上高約1億元のISVで、自社開発のBIソフト「Fine Report」のユーザー数は4000社超と近年急速に成長している。巴音総経理は、「彼らは自社ブランドとして、Waha! Transformerを営業してくれる。当社はパートナーの技術者を育成するだけでよく、手間がかからないうえにリスクも抑えられる」と語る。帆軟軟件との協業は昨年秋に開始し、すでに3件の受注が確定。現在も20件程度の見込み案件が進行中だ。

 中国には備実必(上海)軟件科技のほかにもETLツールを提供する競合があるが、巴音総経理は、「欧米系のETLツールは価格が高く、通信キャリアや金融機関など、ユーザーの業種・業容が限られている。また、ローカルベンダーのETLツールは、歴史が浅く安定性に乏しい」と説明。一方、Waha! Transformerは日本国内で1400ライセンス、中国でも100社近くの導入実績がある。「中国で07年に導入した大手自動車メーカーでは、これまで一度もエラーが発生していない」(巴音総経理)と安定性にすぐれていることをアピールする。

 16年、備実必(上海)軟件科技は、さらにローカルビジネスを加速させる。パートナーを拡充するとともに、Waha! Transformerのクラウド版を提供するなど、より広域で製品を提供する体制を整える。巴音総経理は、「16年は売上高は前年度比で同等の計画だが、内訳は大きく変わり、ソフトウェアのライセンス販売で85%を賄う予定。一方、15年に一定のウエイトを占めていたシステム開発はパートナーへの委託を進める」と構想を語った。