【北京発】3月5日、中国の国会にあたる全国人民代表大会(全人代)が開幕した。李克強首相は、開幕式で行った政府活動報告のなかで、2015年の成果や「第13次5か年計画」の方針について説明するとともに、「ビッグデータ、クラウドコンピューティング、IoTの幅広い応用を促進する」などと述べ、ICTの活用をさらに推進する意向を示した。(上海支局 真鍋 武)

全人代開幕式で政府活動報告する李克強首相
 15年の中国のGDP(国内総生産)は前年比6.9%増の67兆7000億元だった。成長率は目標としていた7%を割れたが、李克強首相は、「革新駆動型発展戦略が引き続き推進され、インターネットと各産業の融合が加速し、新興産業が急成長を遂げた」と述べ、今後の発展に向けた新たな原動力が成長していることを強調した。

 中国では、あらゆる産業のインターネットを活用した産業改革「互聯網+(インターネットプラス)」行動計画が昨年掲げられ、現地のITベンダーは同政策に則った戦略を講じてユーザーに訴求している。工業和信息化部(工信部)によると、15年の中国ソフトウェア・情報技術サービス産業規模は前年比16.6%増とGDPの伸び率を大きく上回った。中国政府がICTに期待するところは大きい。「中国製造2025(製造業10か年計画)」でも次世代情報技術が重大項目に掲げられているほか、「ビッグデータ発展促進行動綱要」など、IT関連の政府指導意見も増えている。

 16年は「第13次5か年計画」がスタートする。李克強首相は、「小康社会の全面的完成(ゆとりのある社会の実現)」を掲げ、「20年までにGDPと都市・農村住民1人あたりの所得を10年の2倍にするためには、今後5年間はGDP成長率6.5%を維持しなければならない」との見解を示した。これを実現するための原動力として、ビッグデータ、クラウド、IoTなどを活用する。同日、国務院によって提出された草案には、ブロードバンドの普及、情報セキュリティなどのICT関連の項目に、新たに「互聯網+」や「ビッグデータ」が追加された(図参照)。

 中国政府は、今年のGDP成長率目標を6.5~7%に設定した。ICT分野では、重点活動としてインターネット金融の規範化と発展、インターネットを活用した行政サービスの推進、インターネット活用による大衆の起業・革新、工業化と情報化の融合による製造業の高度化、O2Oの普及による消費活動の転換、国家サイバーセキュリティシステムの構築などを推進する。