中国の有力クラウドサービスプロバイダの北京優帆科技(QingCloud、黄允松CEO)は、1億米ドルのCラウンド融資を獲得したと発表した。2012年のAラウンド融資200万ドル、13年のBラウンド融資2000万米ドルを大きく上回る。今回、調達した資金は、革新的なクラウド技術の研究開発やパブリッククラウドのインフラ建設、広域IXの構築、法人向けサービスの専門チーム設立などに使われる予定だ。

 QingCloudは、分散型クラウドストレージやSDN(ソフトウェアで定義するネットワーク)/NFV(ネットワーク機器の仮想化)など、トータルクラウドサービスを展開している。中国国内で初めてPostgreSQLリレーショナルデータベースサービス(RDS)を開始。また、ストレージやネットワークなどのITリソースを融合した独自のプラットフォーム(IaaS/PaaS)を提供する。IBM、バイドゥ、テンセント出身の3人が共同創業し、新しい製品・サービスの展開で成長の勢いを増している。

 13年にクラウドサービスをスタートして以来、中国の金融や小売・流通、インターネット、メディア企業など、約4万5000社にサービスを提供している。提供先には、招商銀行や中国銀行、順豊集団、SOHO中国、人民網など、有力企業が並ぶ。QingCloudの黄CEOは、「クラウドベンダーの競争力は、基礎研究開発レベルや経験、ノウハウなど、総合運営能力をいかに高めるかにある。新たな融資を研究開発とインフラの建設に投資し、持続的な成長・発展を実現する。技術力や総合運営能力をさらに高め、ユーザー企業の新たな価値の創造に貢献したい」と、今後の方針を語る。

 15年の中国クラウド市場は活気に溢れ、市場全体の規模が拡大した。中国大手IT調査会社の賽迪顧問(CCIDコンサルティング)が予測した15年の中国クラウド市場規模は、2030億元で前年同期比の54.3%増になるとした。グローバルトップベンダーのAmazonやIBM、マイクロソフト、SAPが中国現地企業との技術連携を強化しているのに加え、中国大手のアリババ、テンセント、バイドゥなどがクラウド市場への投資拡大を続けている。こういった状況のなかで、QingCloudが独自技術・サービスで、中国クラウド市場の勢力図をどう変化させるか注目される。(文/鄭麗花)