中国ITサービス大手の大連華信計算機技術(DHC、劉軍董事長)は4月1日、大和総研ビジネス・イノベーション(大和総研BI、深井崇史社長)の100%子会社である訊和創新(三木健一董事長)の発行済株式74.9%を取得したと発表した。取得金額は1億8700万元。

 訊和創新は、大和総研BIと中国企業との合弁会社として2011年に設立。12年には大和総研BIが出資比率を引き上げて100%子会社となった。現在の従業員数は約1000人。本社は香港で、北京と大連の2拠点を中心に対日オフショア開発を手がけている。北京拠点は4年連続、済南拠点は2年連続で「中国アウトソーシング成長型企業TOP100」を受賞している。

 DHCと大和総研BIは、システム開発で過去10年にわたり協業してきた実績をもつ。DHCは、訊和創新を傘下に収めることで、オフショア開発の体制強化を図る。同社の社名変更は行わない。一方、株式25.1%が残る大和総研BIは、訊和創新を通してDHCとの連携を強化することで、中国市場向けの事業展開を推進することに期待している。

 中国の人件費高騰と為替レートの変動に伴い、対日オフショア開発は市場環境が厳しくなっている。中国工業和信息化部(工信部)によると、15年の中国ソフトウェア・情報技術サービス市場規模は前年比で16.6%伸びたものの、このうちソフトウェアアウトソーシング輸出額が前年と同額で成長しなかった。ここ1~2年で、中国のIT企業に現地法人の株式や事業を譲渡するなどして、オフショア開発から撤退したり、事業規模を縮小したりする日系IT企業が増えている。(真鍋 武)