アプリケーションデリバリコントローラ(ADC)やロードバランサ(負荷分散装置)で知られる米A10ネットワークス(A10、リー・チェンCEO)は、セキュリティ製品のラインアップを強化している。3月末には、アプリケーションサービスゲートウェイ「Thunderシリーズ」に「Thunder CFW(Convergent Firewall)」を、4月には「Thunder SSL Insight」を相次いで日本市場に投入。セキュリティベンダーとしての位置づけを高めている。

米A10ネットワークスのリー・チェンCEO(右)と、
日本法人の高木真吾部長兼エバンジェリスト

 Thunder CFWは、複数のセキュリティ機能を集約したセキュリティアプライアンス。ADCやCGN (キャリアグレードNAT)、SSL可視化などの機能に加え、大企業向けウェブゲートウェイ、データセンター向けファイアウォール、モバイルキャリア向けGi/SGiファイアウォール、サイト間IPsec VPNといった機能をまとめて搭載。「UTMや次世代ファイアウォールを含めても、今までにない機能を組み合わせたセキュリティ製品」(日本法人の高木真吾・ビジネス開発本部マーケティング部部長兼エバンジェリスト)で、用途に応じて機能を自由に選択して利用できる。

 Thunder SSL Insightは、暗号化トラフィックを可視化する専用のセキュリティアプライアンス。暗号化された通信を復号化し、セキュリティ機器で検査する。また、プロキシ機能も搭載しており、クラウドサービスの通信を既存のプロキシとは別で処理することで、既存のプロキシの負荷を軽減する。

 米A10では、2012年頃よりセキュリティへの取り組みに力を入れており、14年にはDDoS対策のアプライアンス「Thunder TPS」の提供を開始。「TPS」は昨年、同社売上全体の10%、日本においては20%を占めているという。

 同社は事業全体として、グローバルで年々売り上げを拡大し、持続的に成長。戦略的に重視する日本市場においても順調に顧客を獲得しており、同社全体の売り上げのうち、日本がおよそ2割を占める。好調な要因として、リーCEOは「顧客を中心に考えたサポート体制と、革新的な技術にある」と説明。とくにサポートは顧客からの評価が高く、日本語への対応をはじめ、顧客から受けた課題に対するテストも日本で行うなどの体制を整えている。また、セキュリティ製品の提供も顧客数の増加に拍車をかけているとのこと。

 16年のビジネス戦略としては、引き続きサポート活動やセキュリティ分野での事業拡大、新たな顧客の獲得に加えて、パートナーとのさらなる協業を図っていく方針だ。パートナーが得意とするソリューションと組み合わせての販売や、テクノロジーパートナーとの技術連携による製品強化で、販売増を目指す。(前田幸慧)