国内で唯一、Amazon Web Services(AWS)専業でインテグレーションを手がけるサーバーワークス(大石良社長)は、従来のAWS構築に加え、案件として増加傾向にある運用自動化などのサービスを強化している。大手企業を中心にAWSクラウドインテグレーション(導入)案件は堅調で、導入社数が現時点で400社(プロジェクトは1420)に達している。今年度(2017年2月期)は、AWSをより便利に使えるようにするため、既存ユーザー企業向けの事業を拡大する。顧客と長期間にわたる関係を築くことで収益性を高める。

 同社が、Amazon EC2を利用したホスティングサービス「Cloudworks」ブランドの提供を開始したのが2009年6月。それ以降、7年弱で導入実績は400社を突破。従業員3000人以上の大手企業が多くを占めている。大石社長は「AWSに関連する導入事業は、昨年度で一本立ちした」と、昨年度だけで100社程度の導入を手がけるなど、AWSの企業ニーズが高まるのと合わせ、安定したビジネスに成長したという。

 今年度はその延長線上で、既存ユーザー企業を中心にサービスビジネスを強化する。5月には、同社のAWS運用自動化サービス「Cloud Automator」に「Amazon Aurora」向けの運用自動化機能を追加した。データベースのMySQLと互換性のあるAmazon Auroraのパフォーマンスをアップするサービスを従来価格の10分の1で提供する。

大石 良
社長
 運用サービス面では、「AWS導入後の利用状況をトラッキングし証跡管理したり、APIを提供して顧客独自の機能を追加するなど、AWSの賢い使い方を提案する」(大石社長)と、以前から提供しているAWS運用代行サービスなどと合わせメニューを拡大する。

 これ以外では、AWSのDaaS(Desktop as a Service)「Amazon WorkSpaces」の導入を成功に導くスターターパックを、デルWyseのシンクライアントを利用してサービス化した。すでに、ヤマハ発動機に対し、200台を導入しワークスタイルの変革に貢献しているという。

 最近では、互換性や連携性がないシステムが社内に分散している企業から、AWSにマイグレーションする要望が増えている。大石社長は「運用面やセキュリティ面などを含め、いつの段階で移行するのか、意思決定する時期や段取りに悩むユーザー企業からの問い合わせが多い」と、協業するクラウドベンダーなどと連携し、こうした大規模案件に対応する体制づくりも進めている。(谷畑良胤)