韓国の情報セキュリティ専門企業NSHC(チェ・ビョンギュ代表取締役)は2016年6月、日本法人を設立し本格的に事業を開始した。4年前からネットムーブと提携して、銀行向けのセキュリティソフトを販売してきた。30以上の地方銀行にソリューションを導入し、日本市場に確かな手応えを感じていた。

 NSHCは、ホワイトハッカーのコミュニティを皮切りに、設立12年目を迎えるサイバーセキュリティ専門企業。モバイルセキュリティ中心の事業を展開してきた。同社は金融機関を中心に、200以上にのぼる銀行や企業への導入実績を誇る。その後、サイバーセキュリティ全般に事業領域を拡大し、セキュリティコンサルティングや模擬ハッキング、トレーニングサービスを展開している。また、世界市場におけるIoT、モバイル活用で起こり得るセキュリティ脅威およびぜい弱性分析産業レポート「Red Alert」を定期的に発行している。

NSHC
チェ・ビョンギュ
代表取締役
 「韓国および中国ビジネスはモバイルが中心。これに比べ日本のモバイル活用は慎重だが、今後金融取引やヘルスケアの情報活用で、モバイル化は外せない」(チェ代表取締役)とし、日本市場の伸びに期待を寄せる。また、日本発クラウド基盤の金融向けモバイルセキュリティ統合サービス「FxShield」に触れ、日本市場で実績を重ねて、より多くのパートナーとともにアジア市場全域でのビジネス拡大に挑みたいとした。

 FxShieldは、金融向けのモバイルセキュリティ統合ソリューション。クラウド型はサブスクリプション・ライセンスとして、ユーザーに提供する。ユーザーはモバイルアプリをクラウド基盤にアップロードし、セキュリティラッピングを行う。バイナリデータの難読化や、APIフッキングの検知・通知、偽造・改ざんの探知など基本機能を備えている。ダッシュボードで日ごと、リアルタイムにハッキング統計データを地域別に集計する。さらに、集計データをもとに、攻撃パターンを分析した詳細レポートを提供する。経営戦略本部の池田あさみマネージャーは、「企業がクラウド基盤上で、動的にセキュリティポリシーの適用が可能だ」としたうえで、金融取引において重要となるアプリケーションの速度には影響与えないとアピールした。

 チェ代表取締役は、「16年には、モバイル中心のビジネスを展開する企業と検討を重ね、協力企業を増やしていきたい」とし、パートナーと一緒にモバイルセキュリティ市場のパイ拡大に向けて、地道に活動していく考えを示した。(鄭麗花)