ウェブ電話帳アプリケーション「PhoneAppli Collaboration Directory(PACD)」を主力製品として展開するPhone Appli(フォンアプリ、石原洋介社長)は、同アプリのノウハウとユニファイドコラボレーション(UC)を融合しIoT(Internet of Things)に参入したり、名刺管理システムのSansanと連携するなど、事業領域を拡大している。スマートフォン(スマホ)などモバイルを利用してワークスタイルを変革する企業が増えていることを追い風に、来年度(2017年10月期)は今年度に比べ倍近くの18億円の売上高を目指す。

 同社主力製品のPACDは、ウェブやスマホ、タブレット端末などのデバイスから相手の在籍状況などに応じて、電話やメール、チャットなどで連絡できるウェブベースの電話帳だ。シスコシステムズなどのIP-PBX(電話交換機)などと連携したアプリだが、15年6月にはクラウド版の「PA CLOUD」の販売を開始している。大企業を中心に導入が進み、09年の発売から8年弱で累計ユーザー数は約350社、約60万ライセンスに達した。ウェブ電話帳アプリ市場ではシェア75%を獲得し、No.1になっている(MM総研調べ)。

 今年4月には、このPACDのノウハウを生かしIoTに参入。工事現場などで被るヘルメットや服の繊維にセンサを付け従業員の健康状態を管理するシステム「コネクテッド警備員」の提供を開始した。センサから取得した体温や心拍数、頭の傾きや姿勢、動作などのデータをクラウド上のシステムに送信する。現場管理者は、離れた場所から従業員の状況を把握できる。

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 石原洋介 社長
 同社では、IoT事業を「コラボレーティブIoT」として、警備員だけでなく、「熱中症などの被害にあう危険性のある野外で過酷な作業をする業種から、バスやタクシー運転手など心労で事故を起こすことを事前に防止する領域まで拡大できる」と、石原社長は予想している。コネクテッド警備員は、来年度に20社の導入を見込む。主力製品のPACDでは今年6月、PA CLOUDがクラウド名刺管理「Sansan」と連携。「Sansan Open API」を利用し名刺情報をPA CLOUDに自動同期する。これにより、PA CLOUD側で閲覧・編集が可能になっている。

 石原社長は「多くの企業では、顧客情報の管理をメールアプリや個人の名刺管理アプリ、スマホ内の電話帳などでバラバラに管理されている。多くの企業で使われているSansanの名刺情報をPACDに取り込み連携できるため、より一層、顧客の連絡先情報を一元管理できるようになる」と、利用者の拡大を期待する。(谷畑良胤)