富士通(田中達也社長)と中国子会社の富士通(中国)信息系統(FCH、梶山正樹CEO)は、中国国有大手の上海儀電(集団)(INESA、王強董事長)と提携した。製造業の高度化を目指す「中国製造2025」の実現に向けた「スマート製造プロジェクト」を共同で推進する。

 INESAは、上海市国有資産監督管理委員会が管轄する国有大手の企業グループ。約140社の関連企業、約1万7000人の従業員を抱える。2015年度の売上高は前年度比19.13%増の193億464万8700元。近年では、従来の電子機器に加え、ICTを組み合わせたスマートシティソリューションに力を注いでいる。

 今回、富士通とFCHは、「スマート製造プロジェクト」にもとづき、INESAのグループ企業であるINESA Display Materialsのカラーフィルタ製造工場で、スマート工場の実現に向けた計画を策定した。今後は、既存の自動生産ラインや製造管理システムなどの情報をもとに、富士通のセンサやネットワーク技術、ダッシュボードソリューション、ビッグデータ分析プラットフォームを活用した工場の効率性を可視化するシステムを構築し、INESAグループの製造のスマート化を進めていく。

 プロジェクトは2016年1月に開始しており、完成は18年の見込み。すでに第一段階の取り組みとして、INESAの既存情報システムの整理と改善を行い、工場のIoT化を推進して、ビッグデータ分析プラットフォームを構築した。これによって、工場内のデータ連携や業務のリアルタイムでの可視化を実現している。

 また、富士通、FCH、INESAの3社は、将来的に構築したモデルを、外部の中国企業に販売していく方針。今回のプロジェクトは、技術の先進性と業界への模範的な取り組みとして、中国工業情報化部(工信部)の評議で2016年の「スマート製造モデルプロジェクト」に選定されている。富士通グループは、これに加えて国有資本のINESAの影響力を活用することで、従来以上に中国企業向けの販売活動を円滑に進めることが可能となる。(真鍋 武)