アクロニス・ジャパン(大岩憲三・代表取締役)は10月11日、都内で「Japan Partner Summit」を開催し、本社から来日したセルゲイ・ベロウゾフCEOら経営幹部がパートナー向けに戦略の説明を行った。

 同社はこの秋、バックアップソフトの最新版「Acronis Backup 12」を発売し、オンプレミス/クラウド両環境のデータを一元的に保護・管理できるようにした。また、バックアップデータの保管先としては、ユーザーが所有するストレージに加えて、パートナーのデータセンターや、アクロニスが用意するクラウドサービス上を選択することも可能。パートナーはアクロニスの製品を再販するだけでなく、アクロニスの技術を利用することで、サービスとして顧客にバックアップソリューションを提供できるのが特徴だ。

セルゲイ・ベロウゾフ
CEO
 ベロウゾフCEOは「多くのクラウド事業者は、アプリケーションやデータを格納する場所や仕組みをすべて自社で管理したがる。しかし、われわれは短期的な収益よりも、長期的に市場シェアを拡大していくことを狙っており、そのためにパートナー戦略を非常に重視している」と説明。また、「ITの今後を見通すと、企業のインフラが100%オンプレミスで続くことはあり得ず、逆に100%クラウドに移行するとも考えにくい。顧客とパートナーに対し、さまざまな選択肢を用意する必要がある」と述べ、オンプレミス/クラウドを選ばずデータを保護し、ユーザーがデータを完全にコントロールできる技術を、パートナーエコシステムを通じて提供できるのが同社の強みであると強調する。

 日本は「クラウドへの移行に保守的な市場」(ベロウゾフCEO)だが、災害対策などの面でクラウドの長所の理解は進んでおり、一定の導入事例が蓄積されると、ある時点から加速度的にクラウド利用が拡大するとみている。とくに、同社がメインとする中堅・中小企業向けの市場では、運用の手間が減らせるクラウドに大きなビジネスチャンスがあるとしている。国内でも「クラウドバックアップサービスを早期に立ち上げたい」としてサービス事業者からは問い合わせが相次いでいるといい、今後はSIerやIT販社に対しても、クラウドビジネス拡大のツールとしてアクロニス製品の取り扱いを訴求していく。

 またベロウゾフCEOは、ブロックチェーン技術は「AIや量子コンピューティングに匹敵する大きな技術トレンド」と指摘し、先般発表したソフトウェア定義ストレージ製品「Acronis Storage」に、ブロックチェーンベースのデータ改ざん検知機能を搭載したことを表明。デジタルデータの真正性を半永久的に担保できる技術として今後さらに研究開発を加速する。(日高 彰)