ダイワボウ情報システム(DIS、野上義博社長)は1月24日、デジタルトランスフォーメーションを体感できる展示会「DIS ICT EXPO 2017 in 瀬戸内」を広島県立広島産業会館西展示場で開催した。セミナー形式の4セッションと出展社89社から成る109ブースの展示コーナーで構成し、広島だけでなく山口や岡山の近隣県からもあわせて1000名強の参加申し込みがあったという。当日は粉雪がぱらつき、電車遅延や高速道路の通行規制などが実施されるなか、900名もの来場者を集めた。今回は「クラウド」「モバイル」「ソーシャル」「セキュリティ」「ビッグデータ/IoT」「映像」の6種類にゾーニングされた展示会場を紹介する。(藤代格)

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展示会のほかセミナーも並行して開催した

 クラウドゾーンでひときわ人を集めていたのはデルブース。「ワークスタイル変革を実現するためのソリューション」をテーマに、VDIを中心に幅広いラインアップを持つデルならではのソリューションを展示した。展示物の紹介を担当するダイワボウ情報システム西日本営業本部の大橋広明氏は、「端末からエンタープライズのサーバー、ストレージ、ネットワークなど、国内外含めてハードメーカーとして唯一すべてを提供できるデルならではのブース構成となっている」と説明する。

 展示物だけでなく今回のイベントに合わせてエリアおよびパートナー担当のほか、製品担当も4名現地入りしたという。デルパートナー事業本部の神野弘幸エリアマネージャーは、「デルは中四国や九州の営業拠点を構えていない。デルの製品を活用することで仕事を進めることはできるが、拠点がないことで実際に人と会う機会はどうしても減ってしまう。今回のイベントのようなパートナーと実際の接点が持てる機会は、直販からスタートしている会社が、パートナーとの協業にビジネスをシフトしていることを伝える絶好のチャンス。こういった機会を上手に活用したい」と、イベントとパートナービジネスへの注力具合を語った。
 
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参加者から「気合の入り方が違うとの意見もいただいた」(神野氏)というデルブース

 同様に、モバイルゾーンで展示していたのはテックウインド。同社で展開するタブレットPCのオリジナルブランド「CLIDE」シリーズは、Windows、Androidのラインアップに揃える。会社のシステムと親和性が高く昨今引きが強まりつつあるWindows、根強いニーズを持つAndroidのどちらにも応えることができるという。また、2月2日に2万4800円で発売する新製品「キーボードPCII」を先行展示。パソコンとキーボードが一体化したPCになっており、モニタに接続すればPCのように使える。昨年すぐに完売した初代「キーボードPC」に追加して、バッテリを搭載することでよりモバイルに適した製品として展開する。
 
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タブレットからサーバーまでモバイルに特化したブースを展開
 
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「キーボードPC」は2月2日より発売予定


 映像ゾーンではMMD Singapore 日本事務所が「Philips」ブランドの25インチ液晶モニタ「258B6QUEB/11」を展示。USB-Cドック搭載で、PCからモニタに映像や音声を送りつつ、モニタからPCへの電源供給がUSB-Cケーブル1本で両立できる。有線LANの端子とUSBポートを備えており、モニタをハブとして映像、音声、電源供給のほか、インターネット回線、USB信号の5種類の信号の送受信が可能だ。MMD Singapore 日本事務所の川口康裕氏は、「大半がUSB-C対応になるといわれているWindows10モバイルをつなぐことで、キーボードとマウスをモニタに挿せばスマホをPCのように使うことが可能。今後広まっていくといわれているフリーディスク環境で、このディスプレイにキーボードやマウスを挿しておけば、Windows10モバイルを屋外ではスマホ、屋内ではPCのように使うことができる。『半歩先に行く』ビジネスソリューションを提供していきたい」と、モニタを通じて提供できるソリューション像を語った。
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「Philips」ブース
 
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USB-Cケーブル1本でさまざまな信号の送受信が可能だ


 自社製のスティックPCやNUCを紹介する傍ら、左右を見るとページの切り替えができるなど視線での操作を可能にするトビー・テクノロジーのアイ・トラッキングや、画像や音声認識、音声合成などを用いたアプリ開発、実装およびクラウドサーバーや外部機器との連携が可能なヴイストンのコミュニケーションロボット「Sota」を「ビッグデータ/IoT」ゾーンで展示していたのはインテル。いずれもインテルテクノロジーを搭載しており、今回はデータの取り扱いをテーマにブースを構成したという。
 
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インテル製品とインテルテクノロジーを活用した製品を展示
 
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視線にあわせてオレンジの丸が移動する

 ソーシャルゾーンにブースを構えた日本マイクロソフトSMB営業統括本部の望月岳史パートナーセールスエグゼクティブは、「Office 365と連携する、マイクロソフト社内でも使用している社内SNS『Yammer』などで生産性向上につなげる企業内ソーシャルのあり方を提案していきたい」と意図を説明。一方、「中四国の伸び代は非常に大きいと感じているが、どういったシナリオでAzureを提案できるかを理解する必要がある。より多くのパートナーとのコミュニケーションを通じて、どういったものが必要とされているのかを分析したい」と語り、同時に来場者からのヒアリングを含めた交流にも意欲を見せていた。
 
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ブースの作りはOffice 365だが、全般的にはヒアリングに重きを置いた運営を行う

 セキュリティゾーンでは、キヤノンITソリューションズがアンチウイルスソフト「ESET」とファイアウォール「Clavister」を隣り合わせのブースで紹介した。ESETブースではキヤノンITソリューションズのプロダクトソリューション事業本部広域営業部の高橋和成部長が、「ESETは軽さと安定稼働に高評価をいただいており、更新率は非常に高い。また要望に応えて、クラウド上で管理が可能なオプション『クラウド対応オプション』も2016年3月より開始し、同様に高い評価をいただいている。このオプションがフックになっている案件も多く、手ごたえを感じている」と好調の要因を分析し、自信をうかがわせた。

 一方、その横ではキヤノンITソリューションズの基盤・セキュリティソリューション事業本部の谷口賢範氏がClavisterについて、「2015年11月から発売しているが、まだまだ認知が足りていないと感じている」と指摘したうえで、「完全自社開発のファームウェアを採用しているためサードパーティ製ソフトウェアのぜい弱性に引きずられることがなかったり、記憶媒体としてディスクを使用しておらずファームウェアをシャットダウンする必要がないなどの点を説明すると、『いいね!』と言っていただける多くの特徴を持っている」とアピールした。実際に業種、業態を問わずに導入が進み、イベント会場でも多くの高い評価を得たという。こうした点から、今後の中四国での展開に自信を見せる。

 横続きで展開しているESETブース、Clavisterブースは今回の展示での連携は厳密には行っていないとのことだったが、「ランサムウェアや標的型攻撃など、ぜい弱性をついた攻撃が増えている。ESETでエンドポイント、Clavisterでネットワークの出入り口を遮断して、外から中、中から外の各プロセスごとに制御していくことがセキュリティを高めるには重要」(谷口氏)と、連携してのセキュリティソリューションの必要性を語った。
 
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横並びで展開した「ESET」と「Clavister」ブース