中国業務ソフト最大手の用友網絡科技(用友、王文京董事長)は、このほど北京で開催した年次のパートナー大会で、タクシーなどの配車アプリを手がける滴滴出行(程維CEO)との新たな戦略提携を発表した。共同で企業向けのSaaS型移動管理サービス「易企行」を提供する。マーケティングや販売活動を含めて協力していくという。

 中国では、ここ数年の間に、配車アプリが爆発的に普及した。配車アプリは、一般消費者だけでなく、多くのビジネスマンも利用しているが、顧客訪問や出張などの業務目的でハイヤーやタクシーを利用する際は、一時的に経費を本人が立て替えて、後日精算する場合が多い。今回、両社が提供する「易企行」では、こうした企業活動での車の利用に関する手続きと管理を効率化し、コスト最適化を支援する。ユーザーは、移動手段の選択や配車の予約を行うことが可能で、モバイル決済や会計システムとの連動、利用状況の分析なども、単一のサービス上で行うことができるという。

 今回の協業は、伝統的なIT企業とインターネットサービス企業の強みを組み合わせた典型モデルといえる。一般消費者の間で普及したサービスモデルに、企業特有の要件を付加することで、伝統IT企業は新たな市場を形成することが可能だ。法人ビジネスを主業とするIT企業にとって、インターネットサービス企業は、ITインフラの重要な顧客といえるが、つき合い方によっては、ビジネスパートナーにもなり得る。とくに用友は、2015年に社名を「用友軟件」から「用友網絡科技」に変更しており、従来の会計・ERPなどの業務ソフト中心のビジネスモデルから企業向けインターネットサービスへの転換に力を注いでいる。(真鍋 武)