米国でスタートし、日本では「エクセルソフト」として市場を切り開いてきた「XLsoft Corporation」(西伸顕CEO)が、2017年8月に創立30周年を迎える。節目の年にCEOに就任した西氏は「チャレンジ精神」がこれまでの長い歴史を支えてきたと説明し、「今後もパートナーと一緒にビジネスを膨らませたい」と意気込んでいる。

201702141844_2.jpg

西 伸顕
CEO

 XLsoft Corporationは1987年8月、前CEOの渡辺光敏会長が米国カリフォルニア州アーバインで創立した。当時の社名は「XLsoft International」。主な事業は、英語ソフトのローカライズだった。

 転機となったのは、90年のWindows3.1の登場だ。日本語化したソフトが日本で売れ始め、翌91年に日本法人の「エクセルソフト」(東京都港区)を“逆輸入“の形で設立。日本市場に本格的に参入した。

 以来、米国を中心に海外のベンダーが開発したソフトウェアを日本で販売する。主力となっている米インテルの製品は、インテル側からローカライズの依頼があったことが取り扱いを始めるきっかけになった。

 西氏は当初、日本のベンダーでSEを務めていた。時はITバブル真っただ中。ITの最先端として勢いがあった米国に憧れ、渡米を決意。現地のコミュニティカレッジでITを学び、2000年初めにXLsoft Corporationに入社した。その後、セールス担当のバイスプレジデントやCOOなどを経験し、17年1月にCEOに就いた。

 XLsoft Corporationには創立当初から、「日本の若い人に米国で働くチャンスを提供したい」(西氏)という企業精神がある。約15人の従業員はほとんどが日本人。西氏は「日本語でテクニカルサポートを提供できるのは強み。技術的なスキルをもっていることは、海外のベンダーも重要視してくれる」と従業員に全幅の信頼を寄せる。

 移り変わりが激しいIT業界では、多くの企業が生まれ、消えていった。製品ラインアップも時代とともに変わり、最近では、モバイル端末に対応できるソフトウェアが重要視されるようになった。

 「クロスプラットフォームでいかに早く市場に製品を投入し、メンテナンスや運用を効率的にできるかが大事」と西氏。モバイルだけでなくクラウドやディープラーニングなど、ニーズが多様化するなかで大切にしているのは、「開発者が苦労していることを、何とかお手伝いできないか」という思いだ。
ただ、苦労して製品の販売を始めても、思いもよらない展開が待っている場合もある。13年に発売したモバイルアプリ開発ツール「Xamarin」もその一つだ。「時代にあった開発ツールで、かなり注目されて勢いよくマーケットが広がっていた」(西氏)と期待は大きかったが、開発元が16年に米マイクロソフトに買収され、取り扱えなくなった。

 それでも、西氏は「常に新しいことにチャレンジして、日本に情報を発信する」と語る。30年の歴史で培った「実績」と「信頼」を武器に、これからも日米の橋渡しに邁進するつもりだ。(廣瀬秀平)