【上海発】富士通(田中達也社長)は2月9日、中国国有大手の上海儀電(集団)(INESA、王強董事長)と共同で、「スマート製造プロジェクト」の戦略提携協議の調印式を開催した。式典には、両社の幹部層に加え、上海市経済和信息化委員会の陳鳴波主任などの市政府高官も出席。富士通からは、この日のために田中社長が訪中し参加した。(真鍋 武)

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富士通
田中達也
社長

 富士通グループと上海儀電(集団)は昨年10月、製造業の競争力強化を目指す「中国製造2025」の実現に向け、「スマート製造プロジェクト」を共同で推進すると発表した。これにもとづき、すでに上海儀電(集団)傘下企業のカラーフィルタ製造工場で、スマート工場の実現に向けた計画を策定。第一段階として、既存情報システムの整理と改善を行い、工場のIoT化を進めてビッグデータ分析プラットフォームを構築し、工場内のデータ連携や業務のリアルタイムでの可視化を実現した。今後はスマート化の範囲を拡大し、将来的には構築したモデルを外部企業にも販売していく方針だ。

 富士通にとって、今回の戦略提携は、地場企業の開拓を進めるうえで大きな意義をもつ。田中社長が式典に出席したのはそのためだ。同氏は過去に中国に駐在した経験をもつが、昨年6月に本社社長に就任してから、中国の公開イベントに顔をみせたのは今回が初となる。

 上海儀電(集団)は、上海市国有資産監督管理委員会が管轄する国有大手の企業グループ。約180社の関連企業、約1万8000人の従業員を抱え、中国国内で大きな影響力をもつ。加えて、今回のプロジェクトは、中国工業情報化部(工信部)の評議で2016年の「スマート製造モデルプロジェクト」に選定されている。富士通は、従来以上に中国企業向けの販売活動を円滑に進められることになる。

 式典で講演した田中社長は、「本日をもって、両社の協業関係は、新たなステージに向けて大きな一歩を踏み出すことになる」と説明。「お互いの強みを生かしてさらなる産業の発展を目指し、プラットフォーム構築、コンサルティング、システムインテグレーションなどのトータルサービスをお客様に提供していきたい」と意欲を示した。