ワンダフルフライ(平田雅子社長)は、自社開発したクラウド業務アプリケーション開発基盤サービス「SaaSForce」の販売を強化する。これまでは、国内の自社受注案件での活用が多かったが、他のSIベンダーやリセラーとの協業を進め、より汎用的な開発ツールとして顧客基盤の拡大を図る。また、中国市場での拡販体制整備も積極的に進めていく方針だ。

201704171537_1.jpg

平田雅子
社長

 同社は2003年の設立以来、金融分野を中心に、当初はほぼ受託開発一本で事業展開してきた。しかし、08年のリーマン・ショックを機に、それまでのビジネスモデルの変革・見直しを余儀なくされた。そこで目を付けたテーマが、“開発効率の向上”だったという。同社が受託開発で培ったノウハウを生かし、SaaSForceをつくり上げた。平田社長は、「簡単にいうと、Excelシートを自動的に業務アプリ化してくれるツール」と説明。詳細を次のように解説する。

 「企業規模に関係なく、営業事務や各種の工程管理など、Excelで管理されているデータは多い。しかし、データ量が増加し、フローが複雑になってくると、Excelでは効率的な管理が難しくなってくる。その解決策としてERPの導入やスクラッチでの業務システム開発を検討するのが一般的だが、コストの負荷が大きいという課題がある。SaaSForceは、複雑につくり込んだExcelシートで管理している属人化した業務なども、簡単に、低コストでアプリケーションに写し取ることができる。基本的にはExcelと自然言語のみでシステム設計ができ、そのデータをインポートすると、当社が独自開発したAIエンジンなどを活用し、業務アプリケーションを自動構築できるようになっている。SaaSForceを使えば、開発工数を大幅に削減できるプロジェクトは少なくないだろう」。

 ワークフローなどの既存システムとの連携も簡単に設定できるほか、BI機能も標準搭載しており、経営判断に必要となる情報の可視化を支援する機能を実装しているとのことだ。また、製品名のとおり、SaaSForceはクラウド環境での利用を想定したツールで、「IBM Bluemix」を標準のクラウドインフラとして活用しているが、マルチクラウド対応を近く実現する見通しであるほか、オンプレミスでも運用可能であり、ユーザーは自社の環境に合わせて利用方法を選択できる。リリース以来、同社自身、多くの案件をこのSaaSForceのプラットフォーム上で開発・納品しており、ユーザーや協業ベンダーからの評価も高いという。他のベンダーが、自社製品やサーバーにバンドルさせてユーザーに提供することも可能で、こうした提供形態を拡大させるべく、現在、「何社かと協業の具体的な検討を進めている」(平田社長)。

 また、SaaSForceは多言語対応もしており、現在は日本語のほかに中国語、英語、ベトナム語を標準で実装している。「日本語で開発したアプリケーションシステムを中国語や英語にも簡単に変換できる」とのことで、日本のオフショア開発拠点として活動してきた上海子会社の機能を拡充し、中国国内での営業活動を積極的に展開していく。(本多和幸)