NTTデータウェーブ(豊田充社長)は、マルチクラウドサービスの昨年度(2017年3月期)売上高が期初予想の3倍余りに達した模様だ。パブリッククラウドやオンプレミス(客先設置)型システム/プライベートクラウドなどを組み合わせて使いたいというユーザーニーズに対応したサービスで、製造業や農業団体の会員向けサイトや、経費精算システムなどの受注が好調に推移した。今年度(18年3月期)は昨年度比で1.5倍ほど売り上げを伸ばす強気の計画を立てる。

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右から廣瀬勝美アカウントマネージャー、
岡本恵一担当課長、
松本幸三氏


 同サービスは「WaveNETMate(ウェーブネットメイト)マルチクラウドサービス」の名称で15年10月からスタート。アマゾン「AWS」やマイクロソフト「Azure」、NTTコミュニケーションズ「Enterprise Cloud」などと組み合わせて使う、いわゆるマルチクラウドの運用を請け負うアウトソーシングサービスである。

 昨年度は、会員向けサイトを含む顧客管理系、営業支援系、EC(電子商取引)系を中心に、「基幹システムと連携してパブリッククラウドを使いたいというニーズが予想以上に大きかった」(岡本恵一・ネットワークサービス部ネットワークサービス担当課長)ことが期初予想の大幅な上振れ要因となった。具体的には、製造業が自社製品のユーザー向けの会員サイトを充実させたり、農業団体では農家向けに気象情報などを提供するサイトを拡充。経費精算などのワークフローシステムのクラウド移行もあった。

 ネットワークサービス部の松本幸三氏は、「インターネットを使うタイプのシステムは、パブリッククラウドと相性がいい」としており、前述の会員向けサイトだけでなく、社外からのアクセスが必須の営業支援システムやECなども同様の理由で、パブリッククラウドを活用する勢いが増している。こうしたシステムと基幹系システムとの連携といったマルチクラウド環境をワンストップでアウトソーシングするサービスが顧客ニーズとマッチしたわけだ。

 また、個人情報や顧客情報を扱うケースが多いことから、「マルチクラウド環境における情報セキュリティを重視するユーザーが一段と増える」(廣瀬勝美・営業推進グループアカウントマネージャー)ことを見越して、この3月下旬にクラウドサービスの情報セキュリティ管理施策のガイドラインで、国際セキュリティ規格の「ISO/IEC 27017」の認証を一部サービスで取得。今後も順次、ISO/IEC 27017の認証を受けたクラウド関連サービスを増やしていく方針である。

 同ガイドラインに沿ってデータの所在や、パブリッククラウドベンダーとNTTデータウェーブのようなサービスプロバイダの責任分解点などを明確にすることで、セキュリティのリスクを明確化。管理施策を強化していくことで顧客の要望を満たし、マルチクラウドサービスを一段と拡大させていく。(安藤章司)