クラウド売上高は倍増

 アリババグループ(馬雲会長)は5月18日、2016年度(17年3月期)通期業績を発表した。売上高は前年度比56%増の1582億7300万元、営業利益は同65%増の480億5500万元で過去最高を記録。中核事業のEC関連が好調だったほか、クラウド事業の急速な拡大が寄与した。

 「淘宝(Taobao)」「天猫(Tmall)」などのEC事業は、全売上高の72%を占めた。ECサイトの利用ユーザー数は4億5400万人で、前年からの伸び率は7%にとどまったが、3月時点の1人あたり売上高が前年同期比で32.8%増。アリババは、スマートフォンで撮影した画像をもとにEC上の商品を検索できるサービスなど、AIを活用した機能を拡充し、利便性を高めることで、ユーザーのさらなる購買に結びつけている。

 クラウドサービス「阿里雲(Alibaba Cloud)」事業の売上高は、前年度比121%増の66億6300万元。全売上高に占める割合は4%で、昨年度から1ポイント上昇した。有償利用ユーザーは同70%増の87万4000に拡大。16年はソフトバンクとの合弁会社SBクラウドを設立し、日本市場でのサービスを開始したほか、中東、欧州、オーストラリアでもデータセンター(DC)を設けるなど、海外事業を加速させている。

 サービス強化にも注力しており、今年3月には、AIプラットフォームの最新版「PAI 2.0」を含む152の新プロダクトをリリースした。AIについては、産業特化型のソリューションを重視しており、製造業・医療業向けに特化した「工業大脳」「医療大脳」も発表。数年前に数百人程度だった同社のAI技術者数は、現在1000人超に拡大しているという。

 一方、クラウド事業の営業損益は16億8100万元の赤字だった。「阿里雲」は海外拠点の拡充やサービスの値下げを続けており、いまだ投資フェーズにある。ただし、前年よりも赤字幅は9億240万元縮小しており、有償ユーザー数の伸びが寄与したものとみられる。(真鍋 武)