インドとインドネシアにDC開設

【上海発】クラウドサービス「阿里雲(アリババクラウド)」を提供するアリババグループの阿里雲計算(胡曉明総裁)は、海外事業を強化する。6月10日、「2017雲栖大会・上海峰会」を開催し、新たにインドのムンバイ、インドネシアのジャカルタにデータセンター(DC)を開設すると発表した。(上海支局 真鍋 武)

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新DCは18年3月までに開設する
 
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胡曉明
総裁

 イベントで基調講演した胡総裁は、「アジア地域や世界各地での地位をさらに向上させる」と意欲を示した。新たなDCは、2017年度(18年3月期)内に開設し、中小企業を中心にユーザーを開拓していく。これによって、アリババクラウドのDCは、グローバルで17か所に拡大する。

 同社は14年3月の北米DCの設立を皮切りに、海外事業を本格化。昨年には、ソフトバンクとの合弁会社SBクラウドを設立し、日本市場への進出も果たしている。

 直近ではマレーシアのDC開設も発表しており、17年はとくにアジア地域での事業強化を進めている。新興国が多いアジア地域では、北米や日本などと比べて、パブリッククラウド市場の勢力図が確立されていないため、商機は大きい。アリババグループは、中核事業のECや金融サービスでも当該市場での体制を強化しており、すでに一定の認知度を誇る。加えて、マレーシアやインド、インドネシアは、中国政府が掲げる「一帯一路(シルクロード経済圏構想)」の沿線上国家であり、中国企業の投資が拡大している。現地に進出した中国系企業のユーザー獲得も狙えるわけだ。

 また、DC開設にあたって、インドでは、通信会社Reliance Communications傘下のGlobal Cloud Xchange(GCX)およびTata Communicationsと提携する。DC間を専用ネットワークで接続するサービス「Express Cloud」が、GCXの「CLOUD X Fusion」とTata Communicationsの「IZO Private Connect」に対応するという。

 「雲栖大会」は、「阿里雲」の最新動向やパートナーの取り組みを紹介するイベント。中国の各主要都市を巡回するかたちで開催しており、16年10月に本拠地杭州で行った大会では、4万人を集客した。

 今回の上海峰会では、このほか環境産業向けのAIプラットフォーム「環境大脳」を含む多数の新サービスや、上海A株上場のIT企業である宝信軟件との製造業向けビジネスでの協業なども発表された。