スマートフォンのみで完結する独自サービスを提供

 韓国のFinTech企業である韓国NFC(リチャード・ファンCEO)は、今秋をめどに日本市場に本格参入する。同社は、NFCを活用したモバイル決済技術を提供しており、ミロク情報サービスと資本・業務提携している。2020年の東京五輪など、訪日外国人の増加が見込まれるイベントを見据え、小規模な小売店や個人事業主向けに、ごく少額の投資で導入可能なキャッシュレス決済サービスとして浸透させていきたい考えだ。

 モバイル決済の分野では、近年、スマートフォンやタブレット端末に装着できるモバイル型のクレジットカードリーダーと決済用アプリをセットで提供する「モバイルPOS」サービスが多数登場している。日本でも、米スクエアや米ペイパル、楽天、コイニーなどがサービスを展開しているが、NFCが提供するのは、これをスマートフォンのみで完結させる技術だという。
 
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リチャード・ファン
CEO

 リチャード・ファン・CEOは、「NFC技術を使って、アプリをインストールするだけで販売者側が多くのキャッシュレス決済方式に対応できるようにした。購買者は、プラスチックカードをスマートフォンにタッチしてクレジットカードやデビットカードで支払いをすることも可能だし、当社が独自開発した技術である『Phone 2 Phone決済』により、購買者側のスマートフォンを販売者側のスマートフォンにかざし、Samsung PayやApple Payで決済することもできる」と説明する。領収書やレシートは、EメールやSMSで送付可能。オプションとして、レシート発行用Bluetoothプリンタもラインアップしている。

 Phone 2 Phone決済は、韓国をはじめ、米国、欧州、豪州、日本で特許を出願中で、豪州では特許取得済みだという。サービスそのものは、韓国で今年3月にローンチしており、「Samsung Payがよく使われている」(ファンCEO)状況だが、日本市場への進出を図るべく、Apple Payにも対応したかたちだ。さらに日本でのサービスローンチ時には、交通系電子マネーなど、より幅広いキャッシュレス決済手段への対応も進める方針だ。

 決済手数料は、スクエアの「3.25%~」をベンチマークに、「それ以下を目指す」としている。

 また、販売者用のアプリには、「遠隔決済」という機能もある。購買者に決済ページへのリンク情報を通知して、ウェブ上で決済してもらう仕組みだ。「決済ページに紐づく商品の写真など、さまざまな情報が登録できるため、販売者はこのアプリを使うだけでネットショップのためのシステムを手に入れられる。大手のショッピングモールサイトに比べ、手数料もずっと安い。遠隔決済では、クレジットカード、デビットカードやSamsung Pay、Apple Payにとどまらず、あらゆる決済手段に対応していて、韓国では、5万事業者がこのサービスを利用中。1日あたり1億円相当の取引が行われている」と、ファンCEOは説明する。日本でも、観光地の土産物店などで需要があるとみている。(本多和幸)