米アップルは7月12日、貴州省政府と戦略提携し、中国にデータセンター(DC)を開設すると発表した。画像や文書などを管理するクラウド「iCloud」の中国国内ユーザー向けの基盤として活用する。アップルが中国にDCを開設するのは今回が初めて。

 同省の雲上貴州大数据産業発展(雲上貴州)と共同で貴安新区に設立する。投資総額は10億米ドルを予定。中国では、規制によって外資企業が単独でDCを展開できないため、省政府出資のIT企業である雲上貴州が主体運営し、アップルは技術サポートを担当する。

 貴州省は、気象や地理条件がDCの立地としてすぐれている。全国初の「ビッグデータ総合試験区」にも指定されており、政府主導でビッグデータ産業の振興に力を注いでいる。補助金も期待できるため、中国のIT大手に加え、マイクロソフト、クアルコムなどの外資が大型投資を進めている。

 アップルは、DC設立の狙いについて、「新たな規制に対応するため」と説明している。中国では、今年6月1日に「中国サイバーセキュリティ法」が施行された。政府が規定する重要情報インフラの運営者に対して、中国国内で収集および発生した個人情報・重要データの国内保存を義務づけている。今後、中国で事業活動を展開する外資系IT企業でも、アップルと同様の動きが広がる可能性がある。