PCAとの連携で販路を大幅拡大

 クラウド労務手続きシステム「オフィスステーション」を提供するエフアンドエム(森中一郎社長)は、業務ソフトメーカー大手のピー・シー・エー(PCA、水谷学社長)との連携により、販路を大きく拡大している。ITソリューション事業本部の渡辺尚人・本部長は、「これまで直販メインで営業してきたが、PCAとの協業により、短期間で大きく成長できる手ごたえを得た」と話す。

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渡辺尚人
本部長

 エフアンドエムは、もともと個人事業主から中堅・中小企業までを対象に、バックオフィス業務のコンサルティングやアウトソーシングサービスを主力事業として展開し、税理士や社会保険労務士との協業ネットワークも構築してきた。これらの事業で顕在化した課題が、オフィスステーションの誕生につながったという。渡辺本部長は、「社労士の先生との長年の連携のなかで、(社会保険などの)行政手続きがなかなか効率化できないという課題を共有していた。また、税理士向けには会計・税務システムなどが豊富にあるが、そもそも社労士業界は、ITによる効率化がまだまだ進んでいなかった」と話す。

 そこで、2016年1月に、社労士向けのクラウドサービスとして、オフィスステーションをリリース。「社会保険、労働保険の手続きを効率化でき、かつ金融機関並みのセキュリティも担保したシステムで、e-Gov外部連携APIを活用し、電子申請に完全対応した」(渡辺本部長)とのことで、リリース後1年で500事務所が導入した。また、オフィスステーションは、労務手続きシステムのほかに、マイナンバー管理システムも個別のサービスとしてラインアップしており、ユーザー増の追い風になったという。ただし、同社にとってはうれしい誤算というべきか、e-Gov外部連携APIに対応しているソフトはe-Govのウェブサイトに一覧が掲載されているが、これをみた一般企業から問い合わせが殺到。そこで、社労士向けだけでなく、一般企業向けにもサービスを提供する方針を固めた。

 企業の労務手続きは給与データと密接に関連しているため、給与計算ソフトとの連携も急ぎ模索し、今年3月、PCAとの協業も発表。オフィスステーションと、PCAのクラウド給与計算システム「PCA 給与DXクラウド」をWeb-APIで連携させることで、ユーザーは給与データ・従業員台帳データの一括自動取得ができるようになった。

 この協業により、販売面での相乗効果もあらわれているという。渡辺本部長は、「PCAクラウドの連携ソリューションとして、同社の販路で訴求してもらうことで、新しい顧客層にもリーチできるようになった」と話しており、今年度(2017年3月期)末までに、2000社のユーザー獲得を目指す方針だ。(本多和幸)