【上海発】スターティアラボ(北村健一社長)は、中国でAR(拡張現実)コンテンツ作成サービスの本格的な販売を開始する。これに伴い、上海の印刷大手4社と合弁会社「上海巨現智能科技(Shanghai Find IT Intelligence Technology、蔡佐克総経理)」を設立。中国市場に精通する印刷会社のノウハウ・顧客基盤を活用し、2019年度までに地場企業を中心に300社への導入を目指す。(上海支局 真鍋 武)

 スターティアラボの「COCOAR」は、オリジナルのARコンテンツを簡単に制作できるサービス。クラウド型で提供しており、既定の容量内であれば無制限に制作することが可能。日本では、印刷業を中心に約1300社の導入実績をもつ。
 
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北村健一
社長

 約2年程前から、同社はスターティア関連会社の西安思達典雅軟件上海分公司を通じて、中国・華東地域でも提案活動を行ってきた。一定の実績をあげ、中国市場の商機は大きいと判断。北村社長は、「日本と同じ独自路線のやり方での販売も考えたが、文化や商慣習の異なる中国市場で一気にスケールするためには、中国企業との協業が重要だ」とみて、本格的に販売するにあたり地場の印刷会社と手を結んだ。

 新設の上海巨現智能科技は資本金500万元で、スターティアラボが40%出資し、協業先の上海揚盛印務、新余蜻蜓谷財富管理中心、上海同昆数碼科技、上海紙説信息技術の4社がそれぞれ10%を出資。いずれも中国ではパッケージ印刷、POP印刷、デジタル印刷、商業印刷の各分野に強みをもつ有力企業となる。また、残りの20%は、西安思達典雅軟件が出資する。

 中国国内では、「COCOAR」をベースに、市場に合わせたカスタマイズを行い、新たなブランド「FindAR」として販売する。中国語対応はもちろん、独自の仕様も追加。西安思達典雅軟件の貫洞雄介・銷售部部長は、「例えば、中国で需要の大きい、有名なキャラクターを使用した動的3Dのコンテンツも容易に制作できる」と話す。

 ARコンテンツ制作を手がけるITベンダーは、日本と同様に中国でも増えているが、北村社長は、「競合は不特定多数のエンドユーザーに対して、受託開発型で個別にARコンテンツ制作を請け負っているケースが多い」とみる。そこで新会社では、クラウド型でつくり放題の「COCOAR」の強みを武器に、エンドユーザーを抱える印刷会社や広告会社などのクリエイティブ企業を主要ターゲットとして提案し、市場を面的に開拓していく。

 北村社長は、「当社グループでは、アジアNo.1のサービス創出を目標に掲げている。これを実現するには、中国は避けては通れない市場だ。地場企業との提携を生かし、中国のARサービス市場でシェアNo.1を目指す」と意欲を示した。