分散する顧客情報を統合管理

【上海発】ITベンチャーの上海富佳信息技術(FUSION、澤戸明浩総経理)は、顧客情報の統合管理基盤「FRM(Fans Relationship Management)プラットフォーム」の販売を開始した。企業がもつ各システムに分散する既存顧客のデータに加え、SNSアカウントのフォロワーなど、潜在顧客の情報までを一元的に管理できることが特徴。中国で販売事業を手がける日本企業のデジタルマーケティング需要に応える。(上海支局 真鍋 武)

201709011633_1.jpg
澤戸明浩総経理(左)と劉之光COO

 FUSIONは、2015年に営業を開始したITベンチャー。オープンソースソフトウェア(OSS)を活用した業務システムなどのITソリューション、「微信」「微博」を活用したマーケティング支援、システム保守やカスタマサービス代行などのサポートの三つを事業の柱として展開している。澤戸総経理は、「ITベンダーはシステムだけ、広告代理店はマーケティングだけを提供していることが多いが、FUSIONはマーケティングとITの両輪で支援できる」と強みを説明する。この2年間で従業員数を15人に拡大し、日系企業を中心に約90社の顧客を獲得してきた。昨年には、日本の営業拠点として東京に子会社も設立している。

 新たに開発した「FRMプラットフォーム」は、企業が運用しているSNS、EC、POS、CRM、ERPなどの各システムと連携し、顧客データを吸い上げて一元的に管理する統合基盤。既存顧客だけでなく、キャンペーンサイトの登録者や、微信公式アカウントのフォロワーなど、まだ商品を購入していない潜在顧客までを管理対象としている。ユーザー企業は、各顧客の属性や過去の行動履歴、購入履歴などの情報を細分化して把握・分析し、状態に応じた情報発信などの施策を講じることで、収益の向上につなげられる。澤戸総経理は、「企業の顧客データは、各システムに分散したまま管理されてることが多い。これらを横串でつないで管理することで、潜在顧客を含む顧客に対して、自社のファンになってもらうための取り組みを効率的に行える」とアピールする。

 すでに、大手小売業の上海久光百貨店が第一号ユーザーとして「FRMプラットフォーム」を導入した。FUSIONでは今後、広告代理店やウェブマーケティング企業などと連携して、提案活動を強化していく方針。