【北京発】百度(バイドゥ、李彦宏CEO)は9月15日、企業向けパブリッククラウド「百度雲」の年次イベント「ABC Summit 2017」を北京の国家会議中心で開催し、多数の新サービスを発表した。人工知能(AI)領域の取り組みで中国市場をリードする同社への注目度は高く、5000人規模の収容量をもつメイン会場は、来場者で埋め尽くされた。(上海支局 真鍋 武)

201710021211_1.jpg

百度 張亜勤 総裁

 百度雲は、15年に本格的な提供を開始した企業向けパブリッククラウド。アリババグループの「阿里雲」やテンセントの「騰訊雲」と比べて後発となるため、百度はABC(AI、Big Data、Cloud)の三位一体となったサービスとして訴求し、他社との差異化を図ろうとしている。

 調査会社IDCによれば、16年の中国パブリッククラウド市場で百度雲のシェアは5位以下にとどまっているが、イベントで基調講演した張亜勤総裁は、「過去1年間(17年7月時点)で、百度雲のユーザー数は11倍、データ流量は8倍、売上高は4倍に拡大した」と述べ、実数は明らかにしなかったものの順調に成長していることを強調した。

 今回のABC Summitでは、GPU/FPGAクラウドサーバーの提供開始や、FPGAのAI処理向け次世代アーキテクチャ「XPU」、ABCを活用したサービス開発向けのフレームワーク「ABC-Stack」などを発表。このうちXPUは現在開発中で、GPUの汎用性とFPGAの生産性を両立させ、百度のディープラーニングフレームワーク「PaddlePaddle」を従来以上に高度な活用を可能にするという。

 また、プライベート/ハイブリッドクラウド型での導入を希望する企業向けの新製品として、百度の技術を搭載したハードウェアアプライアンス「ABC一体機」を初公開した。中国ハード大手の浪潮集団(Inspur)と共同開発したもので、セキュリティを保ちながら短期間でAIの応用を実現できるという。すでに中国の鉄鋼大手である首鋼集団グループが導入し、鋼材の検査測定業務を高度化させている。

 このほか、イベントでは百度雲の新たなスローガン「ABC Inspire」を発表。百度が注力する音声AIアシスタント「Duer OS」や、自動運転技術のオープンソースプロジェクト「Apollo」を含め、中国の各業界に深く入り込み、パートナーとの協業やエコシステム構築を通じて市場を開拓していく方針を示した。