情報通信の効率化に貢献

 NTTグループなど、情報通信関連の大規模システム開発で実績があるワイドテック(李光一郎社長)は、従来主力の派遣ビジネスに加え、電話関連などの自社プロダクトの提供を強化している。電話転送自動切替システム「AUTOWARP」など、すでに大規模導入している自社開発製品だけでなく、海外製品を日本市場向けに開発した商材などを増やす。李社長は「情報通信分野の『自動化』などに関連した商品を揃える」と、今年度(2018年10月期)以降も、得意分野で事業拡大を目指す。

 同社は2000年6月に設立。同年にNTTコミュニケーションズなどに導入実績のあるNMS統合管理システム「TOGOS」を開発し、NTTグループ向けの業務で事業を拡大してきた。TOGOSは、各フロアにある複数台のネットワーク監視用NMS端末をバーチャルLANで結び、故障イベントの実時間監視・画面遠隔操作などを可能にする。

 TOGOSなどの普及により現在は、NTTグループや大手SIerの向けのシステム設計・開発や運用・保守の派遣ビジネスが売り上げの約7割を占めている。残り3割は、これら高度システムの構築運用ノウハウをもとに開発した各種システムを自動化する自社プロダクトなどの販売だ。安定した派遣ビジネスの一方、ここ数年はプロダクト関連の売り上げを伸ばしている。
 
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李 光一郎
代表取締役社長

 自社プロダクトは、急激に導入先を増やしている商材が多い。例えば、AUTOWARPは大手銀行の支店・支社に導入実績がある。同製品は、各回線キャリアの電話転送サービスを受けている電話回線に対し、転送開始、転送停止、転送先変更の切替処理を自動で行える。「従来、電話転送の切替はオペレータの電話機による手作業が唯一の方法だった」(李社長)ことから、電話によるコール業務の多い企業に導入が進んだ。

 また、電話関連の技術を生かした製品としては、連絡情報解析&通知システム「急コール」がある。緊急時のメール連絡を電話で確実に伝えるシステムで、不動産や病院などで使われている。

 自動化関連では、IT運用自動化ソリューション「POLESTAR Automation」も、売り上げを伸ばしている。同ソリューションは、構成やセキュリティ、パッチなどの点検に加え、ソフトウェア・インストールやWindowsアップデート、変更管理などの煩雑な作業を自動化できる。李社長は「システムが肥大化・煩雑化するなかで、障害の65%は人の手作業に由来する」といい、システム運用業務で定期的に実行する作業を自動化できる同ソリューションが注目されているという。

 同社は今後、RPA(ロボティクス・プロセス・オートメーション)を使った製品の開発も積極化する。すでに、Windowsアプリケーションの操作を学習し、オペレーターが担っていた定型、繰り返し作業をロボットが代行する「WinActor」という製品も出している。李社長は「将来的には、海外製品のOEMを含め自社プロダクトを全売上高の7割にする。そのため、従来の直販主体から代理店販売も増やす」と、見通している。(谷畑良胤)