週刊BCNは11月13日、東京・港区の山王健保会館で「クライアントセキュリティフォーラム そのエンドポイント対策、本当に大丈夫?~働き方改革にも貢献するセキュリティ対策&バックアップ~」と題したセミナーを開催した。当日は、協賛社のカスペルスキー、Commvault Systems Japan、デジタルテクノロジーの製品を用いて実現できるクライアントセキュリティ対策を紹介した。

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さまざまなユースケースに対応

 デジタルテクノロジーは、1988年に創業、システムインフラの構築、機器の販売、保守・運用を手がける。2009年にDTSの子会社となり、両社共同でアプリケーションまで含めたトータルソリューションを提供している。
 
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デジタルテクノロジー
酒井宏一郎
アライアンスビジネス部
部長

 酒井宏一郎・アライアンスビジネス部部長は、「クライアント端末の高セキュリティ化はVDIだけじゃない!DTCクライアントソリューションのご紹介」と題した講演で、三つのクライアントセキュリティソリューションについて説明した。

 「VDIソリューション」は、仮想環境を保有する企業向けに、プレミアパートナーとして豊富な実績をもつVMware製品を使ったVDI環境を提供する。とくに、グラフィック能力が必要な設計用端末を仮想化する場合には、VDIにGPUを組み合わせたものを提案する。

 「データレスPCソリューション」は、端末にデータを置かずすべてファイルサーバーで運用したい企業向け。「Flex Work Place Passage」を使い、PCにデータを保存しない環境を構築する。酒井部長は、「(VDIと比較して)操作感、導入の容易さ、価格が売りだ」と説明。また、推奨環境として「速くて安いHCI(ハイパーコンバージドインフラ)だ」とアピールする、同社のHCI「D-RAID ADVANCE」を使った仮想基盤を紹介した。

 「ファット端末ソリューション」は、ファイルサーバーをもたずPCにデータを保存したい企業向け。カスペルスキーのセキュリティ、Commvaultのバックアップを取り込んだデータ管理アプライアンス「DR-ENTERPRISE」を提供する。

 酒井部長によると、「とくに最近は、データレスPCソリューションとファット端末ソリューションに注力している」という。VDIだけではない提案が顧客に刺さっているようだ。

新たな脅威にも対抗できる

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カスペルスキー
関場哲也
エンジニアリング統括部
統括部長

 カスペルスキーの関場哲也・エンジニアリング統括部統括部長は、「脆弱性対応エンドポイントセキュリティ。ランサムウェア・データ破壊に備える。」をテーマに講演を行った。

 関場統括部長によると、昨今のサイバー攻撃には、「ファイルレス」「パワーシェル・スクリプト」「エクスプロイトの増加」「正規ツールの使用」の四つのポイントがあるという。今年5月に世界中で猛威をふるったランサムウェア「WannaCry」についても、エクスプロイトや正規ツールの悪用がみられたと話す。

 こうした脅威に対抗する製品として、関場統括部長は「Kaspersky Endpoint Security」を紹介。振る舞い検知やぜい弱性攻撃をブロックする「Automatic Exploit Prevention(AEP)」、悪用可能な正規ツールを検知できる機能などをもち、「さまざまなモジュールを搭載しており、統合的に対処できる」と強調する。

 また、最近では新興セキュリティベンダーを中心に、「NEXT GEN(次世代)」の概念が打ち出されている。関場統括部長は、これについて、「定義を使用しない革新的な防御・検知技術。とくにAIを使っているもの」と説明し、「新興メーカーが既存企業と差異化するために打ち出した概念だ」と説明。

 そのうえで、専門家による分析、機械学習、脅威インテリジェンスを組み合わせた「Kaspersky Lab HuMachine(Human+Machine)」を解説し、「機械学習は2012年、振る舞い検知は06年、エクスプロイトも11年からやっていて、昔からこうした技術を取り入れている。新興メーカーだけが新しいことをやっているわけではない」と主張。「先進的な機能をたくさん積んでいるのがカスペルスキーの製品だ。防御力の高い製品なので、ぜひ検討してほしい」と呼びかけた。

負担のかからないデータ保護

 米Commvault Systemsは、1996年に設立。バックアップ/リカバリソリューションを提供している。企業買収を行わず、製品はすべて自社開発していることが特徴で、世界で2万社を超える導入実績をもつ。10年に日本法人・Commvault Systems Japanを設立。「Commvaultで安心快適!あなたのクライアントPCをセキュリティリスクから守ります!」と題した講演では、伊吹山正郁・セールスエンジニアリング プリンシパルシステムエンジニアが登壇した。
 
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Commvault Systems Japan
伊吹山正郁
セールスエンジニアリング
プリンシパルシステムエンジニア

 「PC上に重要データが増えると、PCの資産価値が上昇する。セキュリティリスクに対応しつつ、従業員の生産性とのバランスを保ちながら、データを保護していかなくてはならない」と話す伊吹山プリンシパルシステムエンジニア。データ保護の重要性を指摘するが、管理者の手間やユーザーへの負担を考えると、PCのバックアップは実際のところ難しく、「管理者にとってもユーザーにとっても極力負担のかからないものが望ましい」と語る。

 そこで、Commvaultのデータ保護ソリューションを紹介し、十数分から数時間ごとの自動バックアップや、転送データを最小限に抑えた重複排除、「中断」「再開」が可能なバックアップ処理、管理者に頼らず、ユーザー自身でリストアが可能な操作性などをアピール。また、暗号化やランサムウェア対策など、データ保護にとどまらない機能も紹介し、「ワンストップでPCデータ保護のソリューションを提供していく」と強調した。

 なお、セミナーの冒頭では、週刊BCN編集長の畔上文昭が、「ITのトレンドと多様化する脅威 ~働き方改革もセキュリティ対策がカギ~」をテーマに講演を行った。