エンタープライズ向けの拡販を強化

 ストレージベンダーであるネットアップが、後発ながら「NetApp HCI」をリリースし、HCI市場に参入してから4か月がたった。米ネットアップのリース・ロイド・HCI担当プロダクトマネージャー、マーティン・クーパー・次世代データセンター部門シニアディレクターが来日し、手応えと今後の戦略について語った。

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左から米国ネットアップのリース・ロイド・HCI担当プロダクトマネージャー、
マーティン・クーパー・次世代データセンター部門シニアディレクター

 HCIは、一つのサーバーきょう体にコンピューティング機能とストレージ機能を搭載、統合させ、シンプルな構成を実現した仮想基盤だ。動作検証済みの状態で提供されるので、導入が容易で、また運用の手間とコストを削減できるというメリットがある。しかし、HCIが誕生して数年たち、HCIの課題として浮かび上がってきたのが柔軟なスケールアウトが難しい点だ。きょう体ごとに追加するモデルがほとんどで、コンピューティングだけ、あるいはストレージだけを必要に応じて追加することができない。後発であるネットアップは、その課題を解決するため、コンピューティングノードとストレージノードを独立。それぞれのノードを自由に、無停止で拡張できる。この拡張の柔軟さが「NetApp HCI」の特徴だ。

 もう一つの優位性が、ワークロードごとのQoS設定が可能な点だ。ストレージのIOPSの上限と下限をアプリケーション単位で任意に設定でき、容量の大きいワークロードや高い処理性能が求められるワークロードのIOPSを高く設定することで、処理の遅延を防ぐことができる。このため、複数のワークロードが混在した状態でも、あるワークロードが別のワークロードに影響を与える心配がない。この2点を備えることで、「オペレーションがシンプルになる」とロイド氏は語る。

 昨年は国内でHCIが話題となった。グローバルでも関心度は高いという。HCIが誕生した当初は、アーリーアダプタ国であるオーストラリアや米国で、ITを利活用して効率を高めたいという要望が多く、注目された。その際は、小規模企業が中心だったが、今や「さまざまな業界、地域でHCIが注目されている。小規模企業だけではなく、エンタープライズ企業も関心を寄せている」とロイド氏は語る。NetApp HCIも同様で、エンタープライズ企業から注目を集め、「最初の四半期の売り上げは正直驚いている」と確かな手ごたえを感じているようだ。日本市場も同様で、「エンタープライズ企業が前向きに考えてくれている」とクーパー氏は語る。

 今後は、関心が高まっているエンタープライズ向けの拡販を強化していく。「HCIのプロダクトではユースケースをどんどん拡大していく。とくにエンタープライズ向けの件数を増やし、それぞれのユースケースに最適なコンポーネントを開発していく」とロイド氏は話す。また、「ハイパーバイザーベンダー、販売パートナーと連携し、データセンターの変革、ストレージ、コンピュートを変えるだけにとどまらず、全体のソリューションを変える変革を起こしていく」と語った。(山下彰子)