【上海発】NTTデータ中国の松崎義雄総裁が、週刊BCNの取材に応じた。日系企業を取り巻くビジネス環境について、「追い風が吹いている」と説明し、2018年は中国市場向けの事業を一層強化する考えを示した。一方、中国のITの利活用については、「日本のかなり先をいっている」とし、中国企業の取り組みを積極的に学ぶ必要性を主張した。(上海支局 齋藤秀平)

――17年はどのような年でしたか。
 
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NTTデータ中国
松崎義雄総裁

松崎 17年夏に本社の組織が変わって、社内での地域の区割りが北米、欧州、日中アジアの三つのカテゴリになった。これにより、「中国やアジアもしっかりやらなければ」と社内の意識が変わり、日本との連携が強化されたと実感している。

――ビジネスの状況はいかがですか。

松崎 全体からすると、欧米のお客様向けの事業が大きいことは変わらないので、そこは引き続き強化する。また、欧米のお客様向けの事業実績が評価され、中国系のお客様も少しずつ増えている。
――中国企業の顧客の動向を教えてください。

松崎 当社はCRM(顧客情報管理)を強みに、デジタルマーケティング関係の事業を強化しており、この分野で中国系のお客様から仕事を得られるようになっている。SNSアプリをツールとして位置づけたり、スマートフォンのアプリケーションを企業システムにつないだりする動きが非常に多くなっている。中国では、顧客1人のデータは小さくても、市場でトップシェアが獲得できれば、得られるデータは莫大になる。中国のBtoC企業は、そういうところを狙い、積極的にIT投資をしている。

――日系企業の状況はいかがでしょうか。

松崎 私が赴任した12年当時は、日中関係が最悪で、日系企業のIT投資も落ち込んでいた。しかし、この1年半くらいは日系のお客様の調子は悪くない。肌感覚としては、かなり追い風が吹いているような気がする。とくに中国を市場として捉え、BtoCの分野に力を入れている企業は、かなりいい感じになっている。

――中国のITの利活用についてはどのようにみていますか。

松崎 中国系のお客様のなかには、自動車をインターネット通販で販売する動きもある。私からすると考えられないが、実際に売れているという。中国のITの利活用は、日本と比較すると、一歩どころか、かなり先をいっていると感じている。中国から学ぶことは多い。

――18年の意気込みを聞かせてください。

松崎 中国では、当社はまだまだ小規模だが、ほかの日系ITベンダーとは違う所を走っているのは間違いない。日系のお客様のサポートはもちろんしっかりやるが、そこだけに閉じず、中国企業向けの仕事もしっかりと力を入れていきたい。