海外の有力事業者の誘致を本格化

 データセンター(DC)事業者のアット東京(中村晃社長)は、自社DCに海外事業者を呼び込み、接続性を高める動きを強化している。DC設備のレベルが事業者間で差がなくなってきたなか、日本でDCを選ぶ際の有力な選択肢の一つとなることで、DC事業者としての成長の道筋を見出している。

 アット東京は2000年設立のDC事業者。当初は東京電力を親会社とし、東京通信ネットワーク、インテックが出資して設立された。12年にセコムがアット東京の株式の過半数を取得したことで、現在はセコムグループに属している。都内4か所でデータセンターを運営。その一か所である中央センター(CC1)の総床面積は14万平方メートルを誇る。また、キャリアニュートラルなDCとして、国内外20社以上のキャリア回線を引き込んでいる。
 
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大西雅之
事業企画部長

 同社の強みの一つが、日本語と英語のバイリンガル対応だ。営業契約、運用までトータルに英語で対応できる体制を整えることで、外資系企業でも安心してDCを利用してもらえるようにしている。現在、同社が直接取引している顧客のうち、外資系企業が占める割合は「4割程度」だといい、「日本のDC事業者のなかでは圧倒的に多いのではないか。ファシリティの堅牢性に加えて、バイリンガルな対応が外資系企業に評価されている」と、大西雅之事業企画部長は説明する。
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海老根純夫
営業本部
副本部長

 アット東京は、昨年から海外キャリアやIX、クラウドサービス事業者などの誘致に力を入れ、DCとしての付加価値を高めようとしている。海老根純夫・営業本部副本部長は、「数年前から、事業者の間で、建物や設備レベルは一般化し、差異化できる要素ではなくなっている」と説明し、データセンター事業者としての競争力を高める方法として、接続性の強化に動いていると話す。

 こうした施策を通じて、「外資系企業が日本でDCを利用する際の選択肢としてプレゼンスを高める」ことを目指す。現状、国内展開しているDC事業者のなかで最も外資系企業に選ばれやすいのは、業界トップの外資系DC事業者であるエクイニクスだが、「エクイニクス以外の選択肢がなかったというのがユーザーの気持ちだったと思う。冗長化を図るためにも、別の選択肢があるということは重要だ」と、海老根副本部長は話す。また、「事業者が接続性を図る指標として、接続できる事業者の数と質は大事。当社は、国内主要IXといわれる3社がCC1を利用し、一つのDCに集まっているというのは大きい。また、ピアリングの数も、この1年半で、7社から26社まで増え、大きく成長してきた」とアピールする。

 昨年12月、DC内における相互接続を可能にするサービス「ATBeX」をリリース。4月には、同サービスと国内大手IX事業者3社のIXサービスとの接続サービスの提供を開始した。「当社のDCは、お客様同士がビジネスを生み出せる場所にしたいと思っている。日本でトップクラスのインターネットトラフィック集積拠点へ向かうのが大きな方向性。その環境が整いつつあり、今後は利用している企業と当社で何が生み出せるか考えていくフェーズにきた」と大西事業企画部長は強調した。(前田幸慧)
 

ネパールで開催「APRICOT 2018」に出展
「アット東京」知名度UPにつなげる!

 アット東京は海外事業者の誘致を行うため、近年ネットワーク系イベントへの出展活動を強化している。その一環として、今年2月にネパールで開催された「APRICOT 2018」に参加した。

 同イベントは、アジア太平洋地域(APAC)におけるインターネット基盤の発展を目的に、技術者同士で知識やスキル、情報交換を行う年次イベント。毎年開催地が変わり、今回はネパールの首都カトマンズで開かれた。
 
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 展示会には計14社が出展し、日本からはアット東京とセイコーソリューションズが参加した。アット東京は、昨年12月に提供を開始したデータセンター内相互接続サービス「ATBeX」を紹介。昨年に続いて2回目の参加で、「アット東京の名前を知ってもらうとともに、いろいろなプレーヤーの話を聞き、グローバルのニーズを知ることができる」と、大西事業企画部長。また、海老根副本部長は、「前回は無名の状態だったが、今回は昨年会った人と話をすることもできた。実際に会って、コミュニケーションがとれるというのがいいところ。親近感をもって話し合いができたというのは、必ず今後につながる」と手応えを語った。