働き方改革の実効的ソリューションとして期待を寄せられているRPA(Robotic Process Automation)。少子高齢化、労働力不足が深刻化する日本ではとくにAIやRPAを活用し、生産性を向上しようという動きが進んでいる。セゾン情報システムズ、イーセクター、ハミングヘッズの3社は働き方改革を支援するRPA事業で連携して業務の自動化ソリューションを提案する。

顧客の要望から連携が始まる

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(左から)イーセクター橋村清海代表取締役社長、セゾン情報システムズ小野和俊常務取締役 CTO テクノベーションセンター長、セゾン情報システムズ田村孝廣テクノベーションセンター AIチームRPA Innovation Initiative Initiative Leader、ハミングヘッズ横井真司営業本部 営業・企画部 部長

──今回3社が集まった経緯を教えてください。

小野(セゾン情報システムズ)お客様からそれぞれのRPAを組み合わせたらソリューションになるのでは、とお問い合わせをいただいたのがきっかけです。製品を組み合わせたパッケージをつくるのではなく、お客様に合わせてアラカルトで組み合わせて「DataSpider」でつなぐソリューションができないかと。RPA業界が盛り上がっているなか、各RPAベンダーが競合するのではなく、連携して業界を盛り上げ、次のステージに上がっていきたいと思っています。

──各社のRPA製品の特徴と取り組みを教えてください。

横井(ハミングヘッズ)そもそも弊社は「Security Platform」というセキュリティソフトウェアを提供するベンダーです。セキュリティプラットフォームのテストを自動化するためにつくったロボットが顧客の関心を引き、販促ツールとして無償提供したのがきっかけですね。昨年11月に「AI Humming Heads(AIHH)」として製品化しました。

 AIHHは、画像や座標に頼らないので、壁紙の色、文字フォントサイズなどに左右されません。動作中にメールの受信通知など、別の画面が割り込むことが従来はありましたが、自動でPCの状態を見極め、操作を続行するエンジンを搭載しています。

橋村(イーセクター)「ROBOWARE」は、システム運用のオペレーションを自動化するRPAです。WindowsとLinux上で動き、約80のAPIで480以上の機能を実現できます。ロボ同士がネットワークで連携して作業できるので、同時並行して違う作業を行うことができます。ロボット化されたPC間でグリッド・コンピューティングを実現できるので、どのロボもサーバーにもクライアントにもなれます。5月には記録型をリリースする予定です。

小野 異なるシステム間のデータ連携を実現する「DataSpider」をもっています。データ形式が統合されるので、企業がもつデータに対し、横断的な検索や集計といった処理が簡単にできます。これがRPA的な使い方、つまりデータ連携に関する部分の自動化ができるのでは、と思いました。

田村(セゾン情報システムズ)DataSpiderはRPAではありませんが、組み合わせることでRPAを助ける力を発揮することがわかりました。そこでRPAソリューションサービス実現のため、今年2月に「RPA Innovation Initiative」を設立。事業を横断してRPAに関する情報を集約しています。その結果としてDataSpiderとRPAの三つの関係を発見しました。それがデータ連携を自動化する「DataSpider for RPA」、RPAのツールと組み合わせる「DataSpider RPA」、複数のRPAをつなげる「DataSpider RPA Orchestrator」です。この三つの使い方をお客様やパートナーに紹介しています。

一丸となり業界全体を盛り上げる

──昨年、米ガートナーがRPAは幻滅期に向かうという予測を発表しましたが。

田村 日本ではRPAの熱量が、年が明けてから非常に高まっています。案件数も増えています。

横井 業界は盛り上がっていると思います。情シスではなくエンドユーザーからの問い合わせが増えていますよ。

小野 ガートナーの指摘通り、混乱もあります。そのため、先行してRPAを導入して思うように成果が上がらなかった企業もあります。この失敗の要因はRPA単体ですべてできると考え、プログラミングを使った方がいい案件も無理やりRPAに落とし込んだのではないでしょうか。RPAとプログラミングを組み合わせて使うことが重要です。DataSpiderはその二つをつなげることができます。これからは、統合してシステムを構築することが必要になります。そしてこれはSIerや販売代理店などインテグレーションが強いところの仕事だと思います。

橋村 RPAだけを提供するのではなく、システム連携と一緒に提案していかないと定型の簡単な業務しか自動化できません。連携することで非定型業務もこなせるようになります。そうして次のステップに進まないと業界全体が盛り上がっていかないでしょう。

ビジネスチャンスは無限に

──今後、どの分野にフォーカスをあてていきますか。

小野 データ連携が必要になる業務の自動化にフォーカスしていきます。注目しているのが手書き文字認識とRPA、データ連携で手書きの申込書や申請書などです。OCRで手書きの文字を認識した後、人によるチェックが必要になります。その時、データ連携が発生します。書類の画像データと入力したテキストを照らし合わせ、問題がなければシステムに投入し、RPAが処理する。こうした業務はどこにでもありますが、受注センターや自治体の窓口などを対象に提案していきます。

横井 セキュリティの分野でお付き合いのある自治体のお客様に確定申告や手当の振り込みなど、毎回同じことを繰り返す業務の自動化を提案していきます。自治体は業務内容は変わらないので、一つ事例ができれば横展開は早いです。

 もう一つがWindows 10です。半年に1度大規模なアップデートが発生するうえ、企業が導入しているシステムが新しい環境でも変わらず動くか、検証が必要になります。インフラテストのノウハウは自信があります。当社のテストセンターのノウハウをベースに提案していきます。

橋村 親会社であるシーイーシーが官公庁向けに展開しており、そこをターゲットに自治体RPAを提案していきます。データセンターや受注センターをもっている企業にもフォーカスしています。また、人材派遣や機材レンタルなどをしている企業は決まった時間帯に問い合わせが集中することが多いです。負荷を軽減する自動化ソリューションを提案していきます。