英国のソフトウェアベンダーであるユビセンス(リチャード・ペッティCEO)は、日本子会社を通じて、自社開発の地理情報統合表示ソフト「Ubisense myWorld」の日本での展開を強化する。同製品では、ユーザー企業が利用している既存の地理情報システム(GIS)や業務システム、外部の情報など、社内外にある複数ソースのデータを統合し、一つの画面上に表示することができる。上下水道、電力、ガス、通信、CATVなどの事業者を中心に提供していく方針だ。

 多くのインフラ事業者では、既存のGISと社内システム、データベース(DB)などがそれぞれ独立して存在し、これらにアクセスできる人員も限られている。そのため、部門間や業務間での情報連携が進んでおらず、各システムを連携させて情報を有効活用しようにも、カスタマイズに多額のコストと時間を要するという課題があった。

 Ubisense myWorldでは、これを解消する。既存のGISを活用し、その他のデータを連携させることで、一般的なGISのリプレースに比べて導入期間を大幅に短縮することができる。統合表示する地図画面は、ウェブやモバイル環境から利用が可能。Google マップ形式の直感的なUI(ユーザーインターフェース)で設計しており、トレーニングなしで簡単に使うことができる。ペッティCEOは、「従来のGISでは、社内の5%の人員しか使うことができなかった。Ubisense myWorldであれば、残りの95%も使うことができる」と自信をみせる。

 例えば、通信キャリアでは、通信回線や設備、顧客住所などの情報をUbisense myWorld上に表示して状況をリアルタイムで可視化し、管理者が現場の作業員と情報を共有することで、異常検知した際に従来以上に迅速に対応するなど、業務を効率化できる。ペッティCEOは、「すでに北米では強いプレゼンスを発揮している。CATVのトップ5社の3社、通信キャリアではトップ5社のうち2社が導入している」とアピール。2017年はUbisense myWorldの売上高が前年比で50%拡大した。米国の大手電力会社であるデューク・エナジーでは、自社とM&Aによって吸収した企業とで分かれていたシステムを同製品で統合し、現在は8000ユーザーが使用しているという。

 日本での展開強化に向けて、この4月には、NECネッツエスアイ(NESIC、牛島祐之社長)と販売代理店契約を結んだ。同社は、業務効率化、災害復旧支援など、顧客の個別要件に応じたアプリケーション開発を行うほか、モバイルネットワークサービス「ネッツワイヤレス」と組み合わせて提供し、今後3年間で累計15億円の関連売上高を目指している。(真鍋 武)
 
英ユビセンスのリチャード・ペッティCEO(写真右)と
ユビセンス・ジャパンの山口達也ジェネラル・マネージャー