NTTグループ(NTT、NTTデータ、NTTコミュニケーションズ、ディメンションデータ)と米デル テクノロジーズは、防犯や防災、都市交通の最適化など、スマートシティの実現に活用できる自治体向けのIT基盤事業で提携した。第一号として米ネバダ州ラスベガス市で「公共安全ソリューション」の実用化に向けた共同実証実験を9月から開始する。

左からNTTの澤田 純・代表取締役副社長と
Dell EMCのハワード・エライアス・サービスおよびデジタルIT担当プレジデント

 実証実験では、ダウンタウンエリアに複数のセンサを配置し、人・車の動きや音などを常時取得し、AIを使って分析する。特徴は、センサ(エッジ)に近い場所にマイクロデータセンターを置き、即時分析を行う点だ。これにより、例えば、銃声や叫び声など事件性の高い音声を検知したり、指名手配犯や盗難車両と照合したりしたら、自動的に当局に通知することで、事件・事故に迅速に対応できる。さらにセンサが取得した情報を集約し、エッジから離れたデータセンターに送信。ここで気候データやSNSなどの情報を加えることで、事態の深刻度や事件性の有無を予測分析する。

 分析はNTTグループのAI技術「corevo」で行い、サーバやIoTゲートウェイなどのインフラはデルが用意する。さらに、複数レイヤーにまたがるICTソリューションを「コグニティブ・ファウンデーション」で管理することでリソース構成の最適化を行う。なお、コグニティブ・ファウンデーションはNTTのオーケストレータと、VMwareの仮想化技術が採用されている。

 Dell EMCのハワード・エライアス・サービスおよびデジタルIT担当プレジデントは「以前からNTTグループとはクラウド事業でパートナーシップを結んでいた。1年半ぐらい前からIoTとAIを活用したスマートシティソリューションについて共同で取り組み始めていた」と話した。共同プロジェクトとして進めるなか、提案したいくつかの都市のなかから今回ラスベガス市が手を挙げたことについて、NTTの澤田純・代表取締役副社長は「昨年不幸な事件があったこともあり、セキュリティ、安全に対して強い思いを持っているようだ」と説明した。

 実証実験は約2か月間行い、2018年冬をめどにラスベガス市でビジネス化していく。また、今後は米国、日本を含む世界の都市で公共安全ソリューションの商用展開を進める。澤田副社長は「スマートシティの市場規模は1兆ドルと非常に大きい。またスマートシティにとどまらずスマートビル、農業、病院などさまざまな業種へ展開していきたい」と意気込んだ。(山下彰子)