アドバンスト・メディア(鈴木清幸会長兼社長)は10月4日、医療向けAI音声認識ワークシェアリングシステム「AmiVoice iNote」の販売を開始した。

鈴木清幸
会長兼社長
 AmiVoice iNoteは石川記念会 HITO病院とともに共同開発した音声情報記録のシェアリングサービス。スマートフォンに話しかけることで、音声データをテキストとして入力・保存し、共有することができる。入力した情報はPCで確認することができ、電子カルテ、診療文書、報告書といった任意のシステムに貼り付けることが可能。また、SNS機能がついているため、音声や写真などのデータ送受信や、チャットによって個人またはグループで情報共有ができる。これにより、書類作成の時間短縮、円滑なタスクシェアリングが可能になるという。

 AmiVoiceの特徴は認識精度の高さにある。同社の調べで、約200文字の原稿の音声入力を他社のAI音声認識サービスと比較したところ、AppleのSiriでは245秒、Googleでは288秒かかったが、AmiVoiceは130秒で完了したという(誤認識の修正時間を含む)。鈴木社長は「入力テキストを減らせばさらにその差は広がる。われわれはGAFA(Google、Apple、Facebook、Amazon)を超える音声認識技術を提供している」と自信を見せる。

 
梶原三幸
医療事業部
シニアセールスマネジャー
B.S.Rエバンジェリスト
 また、AmiVoice iNoteは2018年6月よりHITO病院のリハビリテーション科で導入実験を行っていた。その結果、一日当たりのカルテの入力時間が15時間56分(39人総計)から4時間45分(41人総計)に短縮したという。石川賀代・理事長兼医院長は「実際にAmiVoice iNoteを導入してみて、カルテの入力時間を削減できただけでなく、患者への介入時間が増加し、スタッフの時間外業務時間が減少する傾向が見られた。今後、継続してデータを取得する必要はあるものの、一定の効果が確認できた」と語った。

 アドバンスト・メディアは現段階で、AmiVoice iNoteの提供先は医療業界だけとしている。しかし、AmiVoiceシリーズは医療だけでなくさまざまな業種業態に提供されている。医療事業部シニアセールスマネジャーの梶原三幸・B.S.Rエバンジェリストは、「AmiVoice iNoteは『思い出す時間をゼロにする』というコンセプトで開発した。医療に限らず、介護や在宅医療での利用のほか、民間企業にも使っていただける商品だと認識している」と、提供範囲の拡大を示唆した。まずは今後3年間で300施設への販売を目指すという。

 費用は、税別で初期導入費用が300万円、1ユーザー当たりの利用料が月額1500円。(銭 君毅)