総務省が医療、介護の分野で情報化を推進しているものの、中小規模の調剤薬局では在庫管理システムや発注システムなどの導入が進んでいない。電話やファックスによる発注が多いのが現状だ。電話やファックスによる発注はデータ入力などの人的作業が卸会社側に発生する。そのため、電子発注システム(EOS)を導入していない薬局に対して、値引き交渉に対応しない卸会社もあり、薬局側の利益を圧迫するケースがあるという。

薬剤在庫管理システム「薬VAN」(メディカルシステムネットワーク)

 調剤薬局の医薬品購入を支援するメディカルシステムネットワーク(田尻稲雄社長)は、発注機能を備えた薬剤在庫管理システム「薬VAN」を展開する。薬VANは、オークラ情報システム(山下眞吾社長)が開発したシステムで、適正在庫の自動計算や発注点自動管理機能のほか、不動在庫や期限切迫品を色別に表示する在庫管理機能を備える。適正な量を発注することで返品、急配に対する卸会社のコストを削減でき、薬局の不動在庫を抱えるリスクの軽減にも貢献する。メディカルシステムネットワークのSCM事業本部ネットワーク営業部の中島成康氏は、「導入により不動在庫を削減でき、1000万円ほどコストを抑えることができた例もある」と効果について話した。
 
グーグルのスマートスピーカーで入力作業を軽減(ファーマクラウド)

 同じく在庫管理システムを提供しているのが、2016年12月に設立したベンチャー企業のファーマクラウド(山口洋介社長)だ。ユニークな点はインターフェースにグーグルのスマートスピーカーを採用していること。在庫管理システム「Med Share(メドシェア)」のデータと薬局向けGoogle アシスタント対応アプリ「ファーマシストオンライン」をリンクさせることで、音声により自薬局の調剤情報を問い合わせることができる。なお、Med Shareはグループ内の薬局の調剤情報を検索できる機能を備え、急な欠品の際にはグループ内の薬局からシェアしてもらうなどの対応ができる。

 山口社長は「調剤中は両手が塞がり、キーボードやマウスの操作ができない。音声で操作することで、作業負荷を約5分の1ほど削減できる」と話す。(山下彰子)