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企業向けグループウェアのrakumoがIPO、公開価格の3倍、3800円で初値<新規上場企業の横顔>

2020/10/02 17:11

 rakumoは、9月28日に東京証券取引所マザーズに上場した。初日は買い気配で値が付かず、2日目に公開価格の3倍、3800円で初値が付いた。

rakumoのWebサイト

 rakumoグループは、rakumoと連結子会社のrakumo Company Limited(ベトナム)で構成されており、「仕事をラクに。オモシロく。」というビジョンのもと、企業の業務の生産性向上に貢献するサービスを提供するべく、事業を展開している。

 同社グループのサービスは、(1)rakumoと他社のライセンスサービスの提供である「SaaSサービス」、(2)ライセンスサービスに関する導入支援や業務支援等を中心とした「ソリューションサービス」、(3)ベトナムを拠点にラボ型ITシステム開発などを行う「ITオフショア開発サービス」の3つで構成される。

 SaaSサービスでは、企業向けグループウェア製品「rakumo」の開発・販売のほか、他社ライセンスの代理店販売を実施している。rakumoは、同社グループが企画・開発を手がける企業向けグループウェアのサービス群の総称であり、カレンダーや勤怠管理、経費精算、稟議申請などの各種機能を有している。

 rakumoサービスは、Googleやsalesforce.comが提供するG SuiteやSales Cloudといったサービスと連携しており、各々のサービスの動向と深い関係がある。GoogleのG Suite利用者数動向については、15年は200万社、17年は300万社、18年は400万社、19年には全世界で500万社以上に利用されていることが発表されており、その成長は毎年100万社程度のペースで安定的に増加している。また、SalesforceのSales Cloudの販売動向については、18年の契約社数が15万社以上と公表され、20年度第4四半期決算報告では前年同期比約17%成長となっており、今後も継続的な成長が見込まれると考えている。

 こうしたなか、同社グループは、SaaSサービスのクライアント数を毎年着実に増やしており、6月末のクライアント数は1939社、ユニークユーザー数は39万人に達している。

 ソリューションサービスについては、rakumoと他社SaaSサービスの導入支援や業務支援等のソリューションサービスに加え、ライセンスサービスに関連した他社ハードウェアの販売などを行っている。高度なITと業務スキルをもった同社コンサルタントにより、各種ソリューションサービスを提供しているが、今後も引き続き、これまでのサービスの開発経験、サービスの運用経験や各種ノウハウを生かした高品質なソリューションサービスを提供していく。

 ITオフショア開発サービスについては、連結子会社のrakumo Company Limited(ベトナム)を拠点として、クライアントからの多様なニーズに応えるため、ITオフショア開発サービスを提供している。同サービスも引き続き、優秀なエンジニアの確保と継続的な教育により、提供サービスの品質向上に務めるとともに、営業体制の強化により、売上高と利益の向上に注力していく。

 20年12月期の連結業績予想は、売上高8億1700万円(前期比23.0%増)、営業利益9200万円(同274.7%増)、経常利益7100万円(同252.3%増)、当期純利益6000万円(前期は3800万円の損失)をそれぞれ見込んでいる。
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外部リンク

rakumo=https://corporate.rakumo.com/