ウインドリバーは、5Gネットワークの構築に対応するエッジコンピューティング向けプラットフォーム「Wind River Studio」の提供を開始した。同社は従来「VxWorks」やリアルタイムLinuxなどの組み込みOSを主力としていたが、新製品の提供開始で、クラウド基盤やその管理・運用のソリューションへと事業領域を拡大する。

中田知佐 社長

 Wind River Studioは、通信や自動車をはじめとするミッションクリティカルな産業用途に対応できるエッジ向けのソフトウェアプラットフォームで、既に米国の携帯電話事業者・ベライゾンで5Gの仮想化ネットワーク構築の基盤として採用された実績があるという。アプリケーションの実行やインフラ部分の管理をつかさどる「Operator Capabilities」および、開発ワークフローを支援する「Developer Capabilities」の2要素から構成されており、前者の正式提供を今年1月より開始した。後者は現在パブリックプレビュー段階となっている。

 Wind River Studioでは、ウインドリバーが長年の強みとしてきた低遅延のIT基盤を構築できるのに加え、AWSやAzureなどの主要なパブリッククラウド、OpenStackやVMware vSphereなどで構築したプライベートクラウド、さらにKubernetesベースのコンテナ環境などを包括的に管理・運用できるとしている。大手通信事業者の5G網やローカル5Gの構築に対応するほか、製造ラインにおけるロボットの制御、多数のセンサーやカメラを使用する設備管理など、高いリアルタイム性や信頼性が要求される産業用途での採用を目指している。

 日本法人の中田知佐社長は「ウインドリバーは組み込みOSの企業から、ソフトウェアの開発・デプロイ・運用・サービスまでのライフサイクルをクラウドネイティブな環境で支援する、インテリジェントプラットフォーム企業へと進化した」と述べ、同社が組み込みの世界で培ってきたノウハウをクラウドの世界へと融合していく方針を示した。(日高 彰)