セゾン情報システムズは2月22日、取引する企業間で生じる商品情報のマスターデータの作成や処理を効率化するサービス「HULFT Master Entry Service」の提供を始めたと発表した。主に化粧品会社などが商品情報を百貨店のECサイトに掲載する際、各取引先のシステムに合わせて手作業でデータを入力するなど煩雑な作業が生じていたが、導入により自動化できる。情報処理作業から販売に至る過程の時間や作業負担を減らし、早期のサービス展開を支援する。
尾崎宏和 部長
尾崎宏和・流通ITサービスビジネスユニットエンタープライズサービス2部部長は、資生堂ジャパンと実施したサービスの検証結果として、従来は約12時間要していた作業を、サービスを利用後に約2.6時間まで軽減したと語った。
その上で「これまで作業担当者が1~2週間かけて手作業でファイル作成していたが、商品登録情報が出来上がってから、実際に販売サイトに掲載されるまで時間の合間ができていた。この時間を解消することもできる」と述べた。
新サービスの主な特徴については「企業が所有するマスター商品情報をクラウドストレージなどの所定場所に保存すると、掲載先ECサイトのフォーマットに編集されたファイルとして保存されている」と説明。「人が作業する場合はミスが発生してしまうことがある。自動化により、定義した作成ルールに基づきファイルが自動作成される」とし、作業品質が維持されることも示した。
幅広い業界でECが増大し、取扱商品数を増加させるなど市場は拡大傾向にある。今後、メーカーや卸売業、飲食業、小売業まで幅広い業界に展開していく構え。新サービスはサブスクリプション型で提供し、価格は初期費用なしで月額5万円(税別)。尾崎部長は「現場で苦労している方々の作業を軽減することにつながると考えている」と述べた。
(山越 晃)