システム開発を支援する米デルフィックスの日本法人Delphix Softwareのビジネスが好調だ。昨年度(2021年2月~22年1月)の売上高は前年度比75%増と大きく伸びた。今年2月に日本法人のカントリー・マネージャーに就任したロバート・スチーブンソン氏は、組織の強化やパートナー向けの支援拡充などを本年度の戦略に設定し、さらなる成長に向けて「しっかりと足場を固める」と意気込んでいる。
ロバート・スチーブンソン カントリー・マネージャー
スチーブンソン・カントリー・マネージャーは、国内のビジネスが伸びた理由について「アプリ開発のスピードアップに加え、データを中心としたビジネスプロセスを目指す動きが顧客の間で増えた」と話す。具体的には、クラウドシフトに向けてテストベースで進めていた既存案件の拡張が成長につながり、コロナ禍のデジタル化に向けた流れも後押しになったという。
本年度の戦略については、従業員数を昨年度の3倍超に増やすとともに、マーケティングの投資を10倍に拡大すると紹介。パートナー関連では、100%パートナービジネスを前提としたハイタッチ営業を採用するほか、技術サポートの充実化やパートナー会の立ち上げなどを計画していると説明する。既存パートナーへの支援に加え、顧客への営業を通じて国内各地で新規パートナーの獲得も進める方針だ。
その上で「昨年度の75%の成長を下回らず、さらなる発展に向けてしっかりと準備を進める。これまでに種をまいてきたところをさらに伸ばすとともに、Delphix Softwareの良さをしっかりと市場にアピールしたり、パートナーエコシステムを構築したりすることに注力していく」と語る。
同社は、データベースの仮想化やテストデータの管理、セキュリティなどのソリューションを提供し、アプリケーション開発の加速と組織のDXを推進している。国内では、大手企業を中心に25社超の顧客を抱え、アクセンチュアとアシスト、伊藤忠テクノソリューションズ、インサイトテクノロジー、コムシス情報システム、富士通がパートナーになっている。
(齋藤秀平)