パナソニックコネクトは、物流の配送状況をリアルタイムに管理し、配送ミスやトラブルの抑止につなげる「配送見える化ソリューション」の拡販に注力している。ドライバー不足の深刻化で作業の効率化は喫緊の課題となっており、需要は高まっていくとにらむ。すでに導入した自動車関連部品・用品の卸売業を行うトヨタモビリティパーツ(TMP)では、トヨタと他メーカーの部品をまとめて配送するプロジェクトに活用し、成果を挙げているという。
同ソリューションは、ドライバー端末から配送実績をクラウド環境に保存することで荷主や運行管理者が配送状況を把握できる仕組み。パナソニックコネクトの完全子会社であるゼテス・インダストリーズ(ベルギー)が開発したシステムを利用し、TMPではハンドヘルドのタフブックをドライバー端末として採用。当初は栃木支社で稼働し、2022年4月から全国展開を進めている。
里平利彦 Zetes事業課主幹
TMPは自社物流で部品などを配送しており、20年6月以降、ダイハツ、スバルと整備部品の共同配送に取り組んでいる。ただ、メーカーは別々の配送管理システムを使っているため、荷物を識別するラベルが各社で異なり、配送時のミスが起こりやすくなったり、荷物の追跡、急な送り先変更などへの対応が困難であったりする課題も浮かび上がっていた。TMPは同ソリューションを活用することでリアルタイム管理を可能としただけでなく、専用のアプリを用いて統一したラベルを発行し、作業の効率化や配送品質の担保を実現した。
パナソニックコネクトのモバイルソリューションズ事業部事業開発部Zetes事業課の里平利彦・主幹はTMPでの実績について「誤配が減少したほか、配送状況を確認できることで顧客サービスの向上にもつながった」と手応えを示した。ソリューション展開に関しては「食品や酒類、コンビニといった配送現場で活用していただくケースが増えている」と説明した。
(大畑直悠)