決算業務の自動化ソリューションを提供するブラックラインは7月14日、企業の74%が経理人材の不足を感じているとする調査結果を発表した。同社では、人材採用が難しい昨今の状況においても、デジタル化による生産性向上を推進していくことで、優秀な経理人材の維持・獲得を図ることができるとしている。
調査は日本CFO協会の会員企業を対象に今年5月から6月にかけて行われ、515社からの回答を得た。業種は製造業、情報・サービス業、商社・卸売業、小売業などさまざまで、企業規模も従業員数5000人以上の大手企業から100人未満の中小企業までが含まれる。
経理・財務部門の人数は適切かとの問いに対しては、「繁忙期になると人材不足を感じる」と答えた企業が47%、「常に不足している」が27%で、多くの企業が経理の人材不足を感じている。また、経理・財務部門が生産性高く業務できているかとの設問に対しては、「あまりそうは思わない」が46%、「そう思わない」が18%で、経理業務の生産性に関しても問題を認識している企業が多い。
また、「数字をまとめる仕事よりも数字を生かす仕事に注力したい」と考えている経理・財務担当者が48%に上り、経営者の意思決定を支援する仕事に魅力を感じる人材が多いことがわかった。
宮﨑盛光
社長
ブラックラインの宮﨑盛光社長はこれらの調査結果に触れつつ、「現在の経理部門は決算・開示など数字をまとめる仕事が多い。この部分をデジタル化し極限まで標準化・自動化していくことで、人材の維持・獲得につなげるとともに、余力を経営層や事業部門向けの業務に割り振ることができる」と説明。労働力の流動化の加速や、近く増加すると考えられるベテラン人材の退職に備え、経理・財務担当者がより付加価値の高い業務に集中できる環境を整えることが急務と強調した。(日高彰)