インテルは9月21日、SaaS事業者に対してビジネス促進や技術面での支援を行う「インテル SaaS Market Acceleration Program」を、年内に開始すると発表した。中小企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進するための取り組みで、SaaS事業者と中小企業とのマッチングの機会などを提供する。
鈴木国正 社長
同社では、クラウド市場の成長を後押しすることを事業戦略の一つとしているが、鈴木国正社長は「日本においては大企業の約80%がクラウドを利用しているのに対し、中小企業では(クラウドを導入している企業が全体の)50%を切っているというデータがある」と述べ、クラウド市場の拡大には中小企業による利用の促進を図っていくことが重要との見方を示した。また、日本企業の99.7%が中小企業であることに触れ、「中小企業というレイヤーの重要性は日本独特のものがある」と指摘。日本全体のDXを推進する上でも、中小企業が効率的にITを導入できるSaaSの普及が不可欠であるとした。
今回のプログラムでは、SaaS事業者向けにビジネス面、技術面の両方で支援策を提供する。ビジネス面での支援としては、第1弾としてSaaS比較サイトなどを運営するスマートキャンプと協業し、年内に共同でイベントなどのマーケティング活動を実施する。そのほか、インテルとつながりのあるユーザー企業とSaaS事業者を引き合わせるといった取り組みも行い、中小企業におけるSaaSアプリケーションの普及を図る。
技術面の支援は2023年から提供する予定で、クラウド基盤上でアプリケーションのパフォーマンスを向上させるための最適化ノウハウを用意する。SaaS事業者が技術的な課題に直面した際に中立的な立場から助言を行う、アドバイザリー活動なども計画している。
インテルではこのほか、SIerなどのITサービス企業やIaaS/PaaS事業者とも連携し、国内のクラウド市場における同社の技術の普及を図っていくとしている。
(日高 彰)