エンドポイントセキュリティ製品を提供するディープインスティンクトは12月6日、記者会見を開き、国内のビジネス状況について説明した。同社はディープラーニングを利用したアンチウイルス製品「Deep Instinct」を主力に展開。2022年は700社以上に導入されたことや、パートナーの拡充が進むなど高成長を遂げていることを明らかにした。

　日本法人は20年に設立し、21年から本格的にビジネスを開始した。サイバー攻撃が巧妙化する中で、従来型のアンチウイルス製品からの乗り換えや、EDR（Endpoint Detection and Response）といったほかのセキュリティ製品と組み合わせて導入するケースが増加したことが、22年の成長要因となったとしている。


　並木俊宗・カントリーマネージャーは「金融や製造、小売りなど幅広い業種で利用されている。加えて、大手企業だけでなく中堅・中小での顧客も増加している」と傾向を説明した。また、3月にインターネットイニシアティブ（IIJ）がクラウド型の統合メールセキュリティサービス「IIJセキュアMXサービス」にDeep Instinctを基本機能として組み込んだことで、200万を超えるユーザーをサポートしていると実績をアピールした。

　22年は、伊藤忠テクノソリューションズ（CTC）とアイキューブドシステムズとパートナー契約を締結した。並木カントリーマネージャーは「日本はモバイルに対するセキュリティ対策が不十分だ」という見解を示し、「MDMのトップベンダーであるアイキューブドシステムズと提携することで、モバイルへの対応力も高めていく」と語った。以前からのパートナーである、IIJやエムオーテックス、ネットワンパートナーズなどと合わせ国内の販売パートナーは8社となり、拡大した販路を生かし新規顧客獲得を目指す。
（岩田晃久）